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J Am Coll Cardiol誌から
難治失神の一因に特発性発作性房室ブロック
アデノシン低値が特徴、再発予防には心臓ペーシングが有効

 一過性に房室ブロックが起こる発作性第3度房室ブロックと診断される症例の中に、特発性発作性房室ブロックと名付けられる新しい病態が含まれていることが分かった。長期間にわたって失神を繰り返すが、持続性の房室ブロックには移行せず、再発予防には心臓ペーシングが有効である。その臨床像および電気生理学的特徴が5月11日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載された。

 発作性第3度房室ブロックは難治性の失神の原因として重要であり、ホルター心電図などの持続心電図検査によって診断される。原因としては刺激伝導系の変性による内因性の伝導障害や迷走神経の過度の亢進が知られている。

 そこで今回、イタリア、フランス、ベルギーの研究者らが、これらの既知の原因では説明がつかない発作性第3度房室ブロックの症例を収集して検討した。

 被験者はイタリア、フランス、ベルギーの4専門施設を受診した18例(男性9例、女性9例)。平均年齢は55±19歳で、原因不明で再発性の失神を、診断までに8±7年間(中央値6年間、0~20年間)経験していた。この18例について、恒久的心臓ペーシングの植え込みを行わずに平均4±4年間(0.6~14年間)観察した。
 
 被験者とした条件は、(1)通常の心電図所見が正常、(2)器質的な心疾患がない、(3)失神時の心電図記録で発作性第3度房室ブロックが突然起こっていて、発症前や発症中に他のリズム異常が見られなかった──という3点である。

 失神の経験回数は、12例が1~10回、4例が20~25回、1例が100回、残り1例は頻回に起こっていた。自律神経の活性化とみられる前駆症状を伴った症例は、18例中わずか3例で、それぞれ食事、感情の動きを伴う咳、嘔吐が契機だった。残りの15例は前触れなく突然、第3度房室ブロックが出現した。

 第3度房室ブロックの検出法は、10例が植込み型ループ式心電計、5例がホルター心電図、3例が入院中のモニター心電図だった。

 心電図記録では全ての被験者において、発作性第3度房室ブロックに引き続いて1回または複数回の心停止が見られ、その時に失神した。最大心停止時間は平均9±7秒(3.4~28.0秒)だった。
 

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