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Hypertension誌から
家庭血圧最大値は高血圧性心血管障害を予測
未治療の高血圧患者を対象とした国内観察研究の結果

2011/05/20
岡本 絵理=メディカルライター

 外来で測定した収縮期血圧SBP)の最大値は、平均SBPと独立した強力な心血管イベント予測因子であることが知られている。家庭血圧においても平均SBPに加えて最大SBPを評価すると、高血圧性標的器官障害(target organ damage;TOD)の予測能が高まることが、自治医科大学の松井芳夫氏らの研究で明らかになった。この結果はHypertension誌6月1日号に掲載された。

 これまで一過性の血圧上昇はノイズとして解釈される場合があったが、外来での最大SBPが心血管イベントと強く関連することが報告されている。外来での最大SBP測定には何度も来院する必要があるため、著者らは家庭SBPの最大値とTODとの間に独立した関連があるかどうかを調べた。

 対象は、2004年6月~07年12月に岩国市立美和病院を受診した未治療の高血圧患者。4週間の導入期間中、外来血圧を2週間以上の間隔で2回測定し、SBPの平均値が140mmHg以上、および(または)拡張期血圧(DBP)の平均値が90mmHg以上となった場合に、高血圧と定義した。

 家庭血圧を14日間連続で毎日朝と夜に3回ずつ、座位で測定した。5分間の安静後に初回測定を行い、その後は15秒間隔で測定した。朝の血圧は起床から1時間以内、排尿後の朝食前に測定し、夜間の血圧は就寝直前、入浴から60分以上経過した後に測定した。

 各参加者の家庭SBPについて、毎日朝3回の平均値および夜間3回の平均値を算出し、その中の最大値を最大家庭SBPとした。平均家庭SBPは、各参加者が家庭で測定した全SBP値の平均とした。

 TODの指標として、心臓障害については左室心筋重量係数(LVMI)、血管障害については頸動脈内膜中膜肥厚度(IMT)、腎障害については尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)を測定した。

 LVMIが男性で125g/m2以上、女性で110g/m2以上の場合に左室肥大と定義した。平均IMTが0.9mmを上回る広汎性頸動脈肥厚が存在する場合、頸動脈硬化症と診断した。UACRが男性で22mg/gCr以上、女性で31mg/gCr以上だった場合にアルブミン尿症と定義した。

 参加者356例の平均年齢は66.6歳であり、各参加者の14日間の平均家庭血圧は79.8±7.9mmHg(平均±SD)だった。
  

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