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JAMA誌から
米国でも血行再建術のトレンドはPCI優勢
CABG施行率は大幅減少、2001年以降の1000病院のサンプル調査

2011/05/18
難波 寛子=医師

 冠動脈血行再建術は過去10年間、薬剤溶出ステントDES)や低侵襲の冠動脈バイパス術CABG)、オフポンプCABGといった新技術が登場し、予後の向上が期待されている。一方で、こうした技術の進歩に伴う血行再建術総数の推移や術式のトレンドの詳細は不明だった。

 今回、米国ペンシルベニア大学の研究者らが2001~08年に全米で行われた血行再建術の件数や術式を調査したところ、総件数は横ばいだったが、CABGの割合は大幅に減少し、経皮的冠動脈インターベンションPCI)の占める割合が増加していることが分かった。この結果はJAMA誌5月4日号に掲載された。

 データ収集は、Agency for Healthcare Research and Quality Healthcare Cost and Utilization Project(HCUP)による米国最大規模の入院患者データベースNationwide Inpatient Sample(NIS)から01~08年のファイルを用いて行った。

 NISのデータはHCUPに参加している州から提供された患者の退院時記録からなる。NISは約1000病院のデータを含み、層化して抽出したサンプルは、連邦政府の病院を除く米国内病院の入院患者の20%となるようデザインされている。層化サンプリングに用いられている基準は、病院の所有者、患者数、教育病院か否か、都会か地方か、所在地域である。

 冠動脈血行再建術はNIS中のコードにより識別した。同様に、CABGとPCIもコードにより識別した。

 本研究では小児は除外した。そのため、全人口における手技の施行率を計算する場合、NISでの数を該当期間中の全米における成人人口の20%で割った。

 著者らの以前の研究によると、PCIの6~18%が外来で行われていたが、NISには外来手術のデータが含まれない。そのため、外来でのPCIに関してはメディケアのデータを用いて01~08年の期間中それぞれの四半期について、65~69歳の患者においてPCIの外来対入院比を求めた。NISでの入院PCI率とこの比の積により、それぞれの四半期における外来のPCI率を推算した。

 CABGを行っている病院の全入院患者の退院時記録は、01年には212病院から、08年には241病院から得られた。PCIでは、01年に246病院、08年には331病院からデータを得た。メディケアのデータから得られた外来PCIの割合は、01年に7.5%(5769/7万7080)だったが、08年には16.8%(1万6269/9万6580)に増加した。
 

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