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Circulation誌から
心筋梗塞患者のAFは死亡リスク増加と関連
43件のRCT・観察研究をシステマティックレビュー

2011/05/11
西村 多寿子=東京大学

 心筋梗塞MI)患者の予後と心房細動AF)の関連を明らかにするため、過去40年間に発表された関連文献のメタ解析とシステマティックレビューを行ったところ、発症時期に関わらずAFは死亡リスクを約40%増加させることが分かった。この結果はCirculation誌4月19日号に掲載された。

 MI患者におけるAF発症率は、2~22%まで様々な報告がある。MIの急性期に発生するAFは、心室頻拍や心不全に比べると重篤な事象と受け止められないことが多いが、AFが予後に与える影響については現在も議論が続いている。

 そこで、米国のメイヨー・クリニックを中心とする研究チームは、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Database、Health Technology Assessment、Scopusを用いて、1970~2010年2月に発表されたランダム化比較試験(RCT)と観察研究のメタ解析およびシステマティックレビューを行った。

 2人の盲検化された研究者が、「MI」「AF/flutter」「mortality」を検索語とし、急性MI患者とAF患者の予後を扱った研究を調査した。言語の制限は設けなかった。ただしMIの診断から1週間後のAFを評価した研究、外科手術またはアブレーションと関連したAFのみの報告、抄録、総説、症例報告は除外した。

 MI前にAFの既往がなくMI後にAF初発の場合は「新規AF」、MI前にAFの既往がある場合は「AF既往」、AFの発生タイミングを区別していない場合は「区別なし」に分類した。

 患者特性、AF発症のタイミング、評価期間、補正した交絡因子、アウトカムのデータを抽出し、不確かな部分がある場合は著者に問い合わせた。ランダム効果モデルを用いて、オッズ比(OR)をプールした。統計的異質性の評価にはQ統計とI2統計を用い、I2≦25%であれば「研究間の不一致度(inconsistency)が低い」、I2≧75%は「不一致度が高い」とした。

 検索で抽出された938件の報告うち、条件を満たしたのは43件(27万8854例、RCT:8件、コホート研究:31件、症例対照研究:4件)だった。症例数の範囲は100~10万6780例(中央値:967例)、平均年齢は65歳、MIと診断された時期は1972~2007年だった。
 

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