日経メディカルのロゴ画像

Arch Intern Med誌から
HIV感染で心不全の発症リスクが増加
冠疾患のない集団を長期追跡、HIV感染自体が要因の可能性

2011/05/10
岸野 美奈子=滋賀県赤十字血液センター

 ヒト免疫不全ウイルスHIV)感染者は、非感染者と比べて心不全を発症するリスクが高いことが、米国退役軍人を対象とした後ろ向きコホート研究から分かった。HIV-1 RNA量が500コピー/mLを超える感染者の心不全発症リスクは非感染者の2.28倍に上った。この結果は、Arch Intern Med誌4月25日号に掲載された。

 治療法の進歩によってHIV感染者の長期生存が期待できるようになり、合併する慢性疾患の診断や管理の必要性が高まっている。

 HIV感染と心不全発症との関連については臨床的に可能性が指摘され、これまでにいくつかの研究が実施されている。両者の関連を示した研究もあるが、いずれの研究も規模が小さく、確実な結論は得られていない。そこで今回、米国・ピッツバーグ大学の研究者らが退役軍人コホートの長期観察研究を行った。

 対象は、VACS-VC(the Veterans Aging Cohort Study Virtual Cohort)およびLHS(the 1999 Large Health Study of Veteran Enrollees)と呼ばれるコホートに参加した男性8486例。年齢の中央値は48.0歳だった。登録時に心不全や冠動脈疾患と診断されていた人は除外した。

 HIV感染者は2391例(28.2%)だった。登録時にはCD4陽性リンパ球数、HIV-1 RNA量、抗ウイルス薬の併用療法の有無について調査した。

この記事を読んでいる人におすすめ