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JAMA誌から
腎機能マーカー3種の併用で予後予測の精度向上
クレアチニンとアルブミン尿にシスタチンCを追加、米コホート研究の結果

2011/04/19
西村 多寿子=東京大学

 米国の中高年者を対象とした大規模コホート研究REGARDS(Reasons for Geographic And Racial Differences in Stroke)で、腎機能マーカーの測定値と総死亡や末期腎不全との関連を調べたところ、クレアチニンアルブミン尿シスタチンCを加えることで、リスクの予測精度が向上することが分かった。この結果は4月11日、JAMA誌オンライン版で発表された。

 REGARDSは、米国南東部の「stroke belt」と呼ばれる脳卒中多発地域に住む45歳以上の黒人と白人を主な対象として2003年1月から、同地域の脳卒中死亡の超過傾向や人種による違いなどを検討する目的で実施されている。

 今回の研究はREGARDSコホートを対象として、腎機能を評価する3種類のマーカー(クレアチニン、シスタチンC、アルブミン尿)を組み合わせることで、慢性腎臓病CKD)の検出とリスク層化の精度が向上するか否かを検討することを目的とした。

 腎関連データを収集した3万239例の適格性を検討し、血清クレアチニン、血清シスタチンC、尿中アルブミンもしくはクレアチニンのベースラインデータが欠如した症例、追跡期間のデータが欠如した症例、登録時点で透析や腎移植を受けていた症例は分析対象から除外した。

 3種類のマーカーについては、それぞれ基準値を境に2分し(クレアチニンに基づく推算糸球体濾過量[GFRcreatinine]:60mL/分/1.73m2、シスタチンCに基づく推算糸球体濾過量[GFRcystatin C]:60mL/分/1.73m2、尿中アルブミン/クレアチニン比[ACR]:30mg/g)、2×2×2の8群に分類した。

 主要評価項目は、総死亡と末期腎不全のイベント発生(透析開始または腎移植)とした。死亡の確認には、死亡診断書または社会保障のデータを用い、10年6月30日までの死亡報告を入手した。透析と腎移植については、US Renal Data Systemから09年8月31日までのデータを確認した。

 対象となった2万6643例は、平均年齢65歳、黒人40%、女性54%、糖尿病21%、高血圧59%だった。追跡期間の中央値は、死亡については4.6年(最長7.28年)、末期腎不全は4.6年(最長6.57年)だった。期間中の死亡数は1940例、末期腎不全は177例だった。

 8群の構成は、(1)3種類のマーカーがいずれも正常範囲(1万9876例)、(2)ACRのみ異常値(2485例)、(3)シスタチンCのみ異常値(963例)、(4)ACRとシスタチンCが異常値(415例)、(5)クレアチニンのみ異常値(701例)、(6)クレアチニンとACRが異常値(148例)、(7)クレアチニンとシスタチンCが異常値(1172例)、(8)3種類とも異常値(883例)──だった。
 

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