日経メディカルのロゴ画像

J Am Coll Cardiol誌から
高用量アトルバスタチンで2型糖尿病発症が増加
ただし心血管疾患既往者では2次予防の有益性が勝ると著者

2011/04/13
岡本 絵理=メディカルライター

 アトルバスタチンを用いた3つの大規模ランダム化比較試験(RCT)を解析したところ、高用量(80mg/日)の群で2型糖尿病発症リスクがわずかに高まることが分かった。この結果は、J Am Coll Cardiol誌4月5日号に掲載された。

 サイアザイド系利尿薬やβ遮断薬など、2型糖尿病発症のリスクを高めるとされている薬剤は少なくない。最近のスタチンに関する13試験のメタ解析では、スタチン投与も糖尿病発症をわずかに増加させていた。13試験の多くはプラバスタチンやロスバスタチンに関するもので、アトルバスタチンを用いた試験は1つしか含まれていなかった。

 そこで米国カリフォルニア大学の研究者らは、アトルバスタチンに関する別の3つの大規模RCTを解析し、スタチンと2型糖尿病発症との関連を調べた。

 TNT(Treating to New Targets)試験では、安定冠動脈疾患患者を対象として、アトルバスタチン80mg/日投与を10mg/日投与と比較した。IDEAL(Incremental Decrease in End Points Through Aggressive Lipid Lowering)試験では、心筋梗塞後患者を対象として、アトルバスタチン80mg/日投与をシンバスタチン20mg/日投与と比較した。SPARCL(Stroke Prevention by Aggressive Reduction in Cholesterol Levels)試験では、脳卒中または一過性脳虚血発作を発症した直後の患者を対象として、アトルバスタチン80mg/日投与をプラセボ投与と比較した。

 ベースライン時に糖尿病または7.0mmol/L以上(126mg/dL)の空腹時血糖があった患者、ベースライン後に複数の測定値が得られなかった患者、ベースライン時の空腹時血糖値が不明な患者は解析から除外した。

 West of Scotland investigatorsの基準に従い、追跡時の空腹時血糖が複数回7.0mmol/L以上となり、少なくとも1回はベースライン時の値から2mmol/L(36mg/dL)を超えて上回っていた場合に、2型糖尿病発症とした。

 2型糖尿病発症のハザード比(HR)と95%信頼区間(95%CI)を、Cox比例ハザード解析により算出した。
 

この記事を読んでいる人におすすめ