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Hypertension誌から
治療抵抗性高血圧の3分の1強は白衣高血圧
同症の適切な管理には24時間血圧測定が不可欠と著者

2011/04/12
西村 多寿子=東京大学

 24時間自由行動下血圧測定ABPM)をルーチンに行っている高血圧患者集団において治療抵抗性高血圧の有病率を調査したところ、その有病率は約12%であり、うち3分の1強は白衣高血圧であることが分かった。この結果は3月28日、Hypertension誌オンライン版で発表された。

 治療抵抗性高血圧は、利尿薬を含む3剤の降圧薬を投与しても降圧目標値まで下がらない場合、あるいは血圧の値に関係なく降圧薬を4剤以上投与している場合と定義されている。一般にこの診断は診察時血圧に基づいているが、治療抵抗性高血圧患者の一部は白衣高血圧であり、その鑑別にはABPMが有用だとする報告もある。

 スペイン・バルセロナ大学の研究チームは、2004年に開設した同国のABPMレジストリーに登録され、診察時血圧、ABPM、降圧薬の種類を含む臨床情報がそろっている患者データ(09年12月時点で約6万8000例)を利用したコホート研究を行った。

 対象は、標準的な治療抵抗性高血圧の基準を満たす患者のうち、適切な用量の降圧薬を3剤以上投与されていながらコントロール不良(収縮期血圧[SBP]140mmHg以上かつ/または拡張期血圧[DBP]90mmHg以上)の患者とした。

 ABPMはSpaceLab 90207(SpaceLab社)を利用し、20分間隔で24時間自動計測を行った。患者は普段通りの生活をするように指導され、計測は平日に実施することが多かった。起床時間と就寝時間の自己報告に基づいて、日中と夜間の時間帯を区別した。

 概日パターン(circadian pattern)は、夜間のSBPまたはDBPの低下率([日中血圧-夜間血圧]/日中血圧)×100 で算出した。この結果に基づいて、過剰低下者(20%超)、低下者(10~20%)、非低下者(0~10%)、上昇者(日中血圧より夜間血圧が上昇)に分類した。

 24時間血圧の平均値が130/80mmHg以上を真性の治療抵抗性高血圧、この基準に満たない患者を白衣高血圧とし、真性と白衣性の臨床特性、診察時・日中・夜間血圧、概日パターンを比較した。また群間差のあった変数をロジスティック回帰モデルに投入して、治療抵抗性高血圧との関連を検討した。

 本研究の対象となった患者は8295例で、レジストリー登録者の12.2%だった。平均年齢は64.4歳、男性比率は51.4%、体重指数(BMI)30以上は49.5%だった。診察時血圧の平均値は161±18/88±13mmHg、24時間血圧の平均値は134±16/75±11mmHgだった。


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