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N Engl J Med誌から
厳格血糖管理群、5年経過後も高い死亡率
ACCORD試験の最終結果、高リスク例に厳格管理は推奨できない

2011/04/05
難波 寛子=医師

 心血管リスクを有する2型糖尿病患者を対象とした大規模ランダム化比較試験であるACCORD(The Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験の最終結果が、N Engl J Med誌3月3日号に掲載された。5年の経過時点で、厳格血糖管理群では通常管理群と比較して、非致死性心筋梗塞が少ないものの死亡率が高いことが確認された。

 ACCORD試験は米国とカナダの77施設において、49~79歳の2型糖尿病患者で、HbA1cが7.5%以上かつ心血管疾患の既往または心血管リスクのある症例を対象に行われた。

 対象者の登録は2001年1~6月までと、03年2月~05年10月の2つの期間に分けて行った。試験開始後、血糖コントロールの目標値をHbA1c 6.0%未満に設定した厳格管理群で死亡率が上昇したため、2008年2月5日、平均治療期間3.7年の時点で厳格管理の中止を参加者に知らせた。

 厳格管理群の症例は、HbA1cの目標値を7.0~7.9%とする通常管理に移行した。対象は、脂質管理や血圧管理についてもランダム化されていたので、当初の観察終了予定期間である09年6月まで、以降も4カ月に1回以上経過観察を継続した。

 1次アウトカムは、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死亡の複合アウトカムとした。2次アウトカムは総死亡とした。

 厳格管理群が通常治療に移行する前のHbA1cの中央値は厳格管理群で6.4%、通常治療群で7.5%だった。移行後、経過観察の最終回では、それぞれ7.2%、7.6%となった。移行後は重症低血糖やその他の有害事象の発生率は両群間で差がなかった。

 移行前、1次アウトカム発生率は厳格管理群で年間2.0%、通常管理群で2.2%であり(ハザード比[HR]: 0.90、95%信頼区間[CI]: 0.78-1.03、調整後P=0.134)、全観察期間を通しても有意差はなかった(HR:0.91、95%CI:0.81-1.03、P=0.12)。

 治療移行の時点で、非致死的心筋梗塞の発生率は通常治療群より厳格治療群で高かった(1.08% vs. 1.35%、HR:0.79、95%CI:0.66-0.95、P=0.01)。しかし、心血管死亡率は厳格治療群で高かった(0.71% vs. 0.55%、HR:1.27、95%CI:0.99-1.63、P=0.07)。

 この相反する結果は試験終了時も同様であり、非致死的心筋梗塞の発生率は厳格管理群で低く(1.18 vs. 1.42、HR:0.82、95%CI:0.70-0.96、P=0.01)、心血管死亡率は厳格管理群で高かった(0.74 vs. 1.29、95%CI:1.04-1.60、P=0.02)。
 

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