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Ann Rheum Dis誌から
TNFα阻害薬を使用するRA患者はCVD低リスク
メトトレキサート使用者では有意減少見られず

2011/03/31
山川 里香=医学記者

 関節リウマチ(RA)を対象とした米国の大規模レジストリーによる検討では、腫瘍壊死因子α阻害薬TNFα阻害薬)使用者の心血管イベント発生率は、年齢、性別、心血管リスク因子、RA疾患特性で調整しても、非生物学的抗リウマチ薬使用者より60%以上も低下していた。一方、メトトレキサート(MTX)使用者のリスクは低下していなかった。米国ニューヨーク大学の研究者らによるこの論文は、Ann Rheum Dis誌4月号に掲載された。

 RAにおける心血管疾患リスク上昇は、従来の心血管危険因子に加え、炎症性メディエーターにも起因しているというエビデンスが増加している。また、炎症性疾患に罹患していない人のアテローム性動脈硬化症に炎症が重要な役割を担っていることが、最近、複数の研究で示唆されている。

 だがTNF阻害薬と心血管リスク低下との関連性については、現在のところ、研究結果の一致をみていない。

 今回の検討では、2001年10月1日~2006年12月31日にCORRONAレジストリーに登録された患者中、担当リウマチ専門医によりRAと診断され、2回以上治験来院した者1万156例を対象とした。CORRONAレジストリーとは、米国35州103施設のリウマチ専門医268人から成るネットワークである。乾癬性関節炎の診断を下された者は除外したが、心血管疾患の既往の有無は問わなかった。

 主要アウトカムは、非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中+一過性脳虚血発作(TIA)+心血管死の複合とした。2次アウトカムは、非致死的MI+脳卒中/TIAなどの非致死的心血管イベントの複合、および個別のアウトカムとした。

 薬剤使用状況に従って、(1)TNF阻害薬(単剤療法、またはMTXなどの非生物学的抗リウマチ薬[DMARDs]との併用)、(2)MTX(単剤療法、または非生物学的DMARDとの併用、TNF阻害薬は含まない)、(3)他の非生物学的DMARD (MTXとTNF阻害薬は含めない)――の3群に分類した。

 prednisone(代謝活性体がプレドニゾロン)は3群にわたって処方されていたため、用量で層化した(使用せず、1-7mg/日、7.5mg/日以上)。

 対象者の薬物への曝露をperson timeで測定した。追跡は、研究期間終了、レジストリーからの脱退、非致死的心血管アウトカムまたは死亡のいずれかが発生するまで継続した。Cox比例ハザード回帰モデルで、非生物学的DMARDに対するTNF阻害薬とMTXの相対リスクをそれぞれ評価した。
 

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