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Circulation誌から
ARB・ACE阻害薬併用、腎高リスク者にも効果認めず
ONTARGET試験とTRANSCEND試験のpost-hoc解析の結果

2011/03/28
西村 多寿子=東京大学

 アンジオテンシンII受容体拮抗薬ARBテルミサルタンの心血管イベント抑制効果を検討した大規模臨床試験のpost-hoc解析の結果が、Circulation誌3月15日号に掲載された。ベースラインの腎機能で層化し、ARB・ACE阻害薬の併用投与と単剤投与の比較や、ARB投与とプラセボの比較を行ったところ、心血管および腎の保護効果が期待された高リスク患者に対しても、ARBの有効性は認められなかった。

 本解析において、カナダ・トロント大学を中心とした研究チームは、血圧が正常域内で心血管リスクのある糖尿病患者を対象に40カ国630施設で行われたONTARGET試験(Ongoing Telmisartan Alone and in combination with Ramipril Global Endopint Trial)とTRANSCEND試験(Telmisartan Randomized Assessment Study in ACE Intolerant Subjects With Cardiovascular Disease)のデータを使用した。

 心血管の主要アウトカムは、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、うっ血性心不全による入院の複合。腎の主要アウトカムは、血清クレアチニン値の2倍増と持続透析の複合とした。透析期間が2カ月を超える場合を持続透析、2カ月以下を急性透析と定義した。

 腎機能については、推算糸球体濾過量(GFR)と尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)で層化した。GFR低値は60mL/分/1.73m2未満、GFR正常値は60mL/分/1.73m2以上とした。またACRが3.4mg/mmol 未満を正常アルブミン尿、3.4mg/mmol以上33.9mg/mmol未満を微量アルブミン尿、33.9mg/mmol以上を顕性アルブミン尿とし、GFR:2群×ACR:3群の計6つのサブグループに分け、心血管や死亡、腎アウトカムを比較した。

 ONTARGET試験のデータ解析では、ARBテルミサルタンとACE阻害薬ramiprilの併用療法(併用群)とそれぞれの単剤投与2群を合わせた群(単剤群)の比較を行った。ONTARGETプログラムの1つでACE阻害薬に忍容性のない患者を対象にしたTRANSCEND試験については、テルミサルタン群とプラセボ群を比較した。

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