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JAMA誌から
クロピド低反応例に倍量投与してもイベント減らず
PCI後に血小板機能検査を行い標準用量と比較したGRAVITAS試験

2011/03/25
山川 里香=医学記者

 薬剤溶出ステントDES)留置後、クロピドグレルへの反応性が低い患者に対して標準用量の倍量のクロピドグレルを6カ月間投与したが、ステント血栓症や心血管死などのイベント発生率は標準用量を投与した場合と変わらなかった。この結果は、JAMA誌3月16日号に掲載された。

 クロピドグレルはプロドラッグであり、活性代謝産物の血中濃度や実際に発揮される血小板阻害活性には、大きな個人差がある。この個人差は、薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)2C19の遺伝的多型だけでは説明できない。

 一方、クロピドグレル服用中でも血小板凝集能が高い患者(低反応例)は、PCI後の心血管イベントリスクが高いことが様々な研究で示唆されている。

 そこで米国とカナダの研究者らは、低反応例へのクロピドグレル高用量投与がPCI後の心血管イベント予防に有効かを評価するために、GRAVITAS(Gauging Responsiveness with A VerifyNow Assay─Impact on Thrombosis And Safety Trial)と呼ばれる多施設二重盲検ランダム化比較試験を行った。

 対象は、米国とカナダの83施設で2008年7月~10年4月に、安定型冠動脈疾患・非ST上昇型急性冠症候群・ST上昇型心筋梗塞の治療を目的として、1カ所以上にDES留置術を受けた患者5429例。

 PCI(経皮的冠動脈インターベンション)の12~24時間後に血小板機能検査を行い、低反応例(2214例)を高用量群(1109例)と標準用量群(1105例)にランダムに分け、非低反応例(3215例)から無作為に抽出した586例を標準用量群に割り付けた。低反応例の定義は、VerifyNow P2Y12 testの結果が230PRU以上とした。


 周術期の糖蛋白IIb/IIIa受容体阻害薬投与例、経口抗凝固療法の使用予定例、血小板機能検査前の出血例などは除外した。さらに、PCI施行時までにクロピドグレルが投与されておらず、血小板機能検査時にほぼ安定した抑制活性が得られない症例も除外した。

 高用量群では、初日にクロピドグレルを合計600mg/日、その後150mg/日を6カ月間投与した。標準用量群(低反応例と非低反応例から成る2群)には、まずプラセボを、その後クロピドグレル75mg/日+プラセボを投与した(対象症例はPCI施行時までに標準的なレジメンでクロピドグレルが投与されている)。いずれもアスピリン(75~162mg/日)を併用した。30日目と6カ月目に診察と血小板機能検査を行った。
 

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