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BMJ誌から
AFの塞栓症予測にCHA2DS2-VAScスコアが有用
CHADS2スコアに比べて高リスクと低リスクの予測能に優れる

2011/03/23
難波 寛子=医師

 心房細動AF)患者における血栓塞栓症リスクの層化には、従来CHADS2スコアが広く用いられてきたが、多くの患者が中等度リスクに分類されるなどの問題があった。そこで、同スコアにさらにリスク因子を加えたCHA2DS2-VAScスコアが新たに提案されている。

 1月31日、BMJ誌オンライン版に掲載されたデンマークの大規模コホート研究の結果から、CHA2DS2-VAScスコアはCHADS2スコアと比較して高リスク患者の予測能に優れるほか、CHA2DS2-VAScスコアで低リスクとされた症例は実際に血栓塞栓症リスクが低いことも分かった。

 デンマークでは全市民が固有の識別番号を有しており、国の登録データと個人レベルで関連づけられている。1978年以降はすべての入院が退院時の病名とともに国内患者登録に記録されている。96年以降は侵襲的処置がコード化され、95年以降は国内の薬局で払い出されたすべての処方薬が処方薬登録に記録されている。

 今回の研究では、国内患者登録より97~2006年に非弁膜症性AF(心房粗動[Af]を含む)と診断された全患者を抽出した。退院7日後から観察を開始した。この7日間に死亡または血栓塞栓症を生じた症例は対象から除外した。退院の180日前から7日後までの内服状況を確認し、ビタミンK拮抗薬またはヘパリンを内服している症例は除外した。

 観察は、死亡まで、または観察期間(1年、5年、10年)の終了までとした。

 CHADS2スコアでは、心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病がそれぞれ1点ずつ、血栓塞栓症の既往が2点で計算され、スコアは0~6点となる。CHA2DS2-VAScスコアでは、心不全、高血圧、糖尿病、血管疾患、64~74歳、女性がそれぞれ1点ずつ、 血栓塞栓症の既往と75歳以上が2点で計算され、スコアは0~9点となる。どちらのスコアも0点が低リスク、1点が中等度リスク、2点以上が高リスクと判定される。

 1次エンドポイントは、血栓塞栓症による死亡または入院とした。血栓塞栓症とは末梢動脈の塞栓症、脳梗塞、肺梗塞とした。2次エンドポイントは総死亡とした。
 

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