日経メディカルのロゴ画像

N Engl J Med誌から
糖尿病患者は血管疾患以外の死亡リスクも高い
空腹時血糖値100mg/dL以下は関連なし、97研究のメタ解析

2011/03/15
岡本 絵理=メディカルライター

 糖尿病患者では、血管疾患による死亡のリスクだけでなくをはじめとした多くの疾患による死亡のリスクも増加することが、97の前向き研究の参加者82万例を対象としたメタ解析で明らかになった。この結果は、N Engl J Med誌3月3日号に掲載された。

 英国ケンブリッジ大学の研究者らEmerging Risk Factors Collaboration(ERFC)は、ベースライン時の糖尿病状態(自己申告、薬剤使用、空腹時血糖値が126mg/dL[7.0mmol/L]以上、あるいはこれらの組み合わせにより確認)および空腹時血糖値と死亡(総死亡、癌による死亡、血管疾患による死亡、その他の死亡)リスクとの関連を調べるため、97の前向き研究の参加者82万900例を対象としてメタ解析を実施した。

 解析対象は、(1)ベースライン時に糖尿病の診断や空腹時血糖値に関する情報がある、(2)慢性疾患の有無により参加者を選別していない、(2)明確に定義した基準により原因別死亡が記録されている、(4)1年を上回る追跡データがある――という条件を満たす研究とした。

 また、対象とした研究の参加者が、(1)ベースライン時に血管疾患の既往がない、(2)年齢・性別・喫煙状態・体重指数(BMI)・糖尿病歴または空腹時血糖値(8時間以上または一晩の絶食後)に関する情報がそろっている、(3)追跡期間中の原因別死亡が記録されている――という条件を満たすデータを解析した。

 Cox比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比を算出した。原因別死亡の解析では、one-step固定効果メタ解析の手法を用いた。

 糖尿病状態および空腹時血糖値の解析対象者82万900例では、ベースライン時の平均年齢が55±9歳であり、48%が女性だった。参加者の大部分が欧州(58%)または北米(36%)で登録されていた。その中で、糖尿病状態の人は71万5061例であり、登録時に糖尿病を有していた人は4万116例(6%)だった。

 死亡は12万3205件発生し、そのうち癌による死亡は4万1320件、血管疾患による死亡は4万4407件、その他の原因による死亡は2万7661件だった。
 

この記事を読んでいる人におすすめ