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N Engl J Med誌から
アスピリンを大きく上回るapixabanの塞栓予防効果
出血頻度は同等、ワルファリンが適さない心房細動患者対象のAVERROES試験

2011/03/01
岡本 絵理=メディカルライター

 ビタミンK拮抗薬が適さない心房細動患者を対象として、選択的第Xa因子阻害薬apixabanの有用性を検討したAVERROES試験の最終結果が2月10日、N Engl J Med誌オンライン版に掲載された。apixaban群では、アスピリン群と比較して脳卒中・全身性塞栓症のリスクが有意に低下する一方で、大出血・頭蓋内出血のリスクが上昇することはなかった。

 心房細動患者の脳卒中予防にはアスピリンよりビタミンK拮抗薬(ワルファリン)の方が有効であるが、治療域が狭くINR(プロトロンビン時間の国際標準比)を適切な範囲に維持することは難しい。そのような場合はアスピリンの単独療法やアスピリンとクロピドグレルの併用療法が行われるが、脳卒中予防効果と大出血リスクとのバランスがより良好な抗血栓薬が必要とされている。

 そこでカナダ・マクマスター大学の研究者らは、ビタミンK拮抗薬が適さない心房細動患者を対象として、AVERROES(Apixaban Versus Acetylsalicylic Acid to Prevent Stroke in Atrial Fibrillation Patients Who Have Failed or Are Unsuitable for Vitamin K Antagonist Treatment)と呼ばれるランダム化比較試験を行い、apixabanの有効性と安全性について検討した。

 AVERROES試験は36カ国522施設で実施され、2007年9月10日に登録を開始した。脳卒中リスクがあるがビタミンK拮抗薬投与が適さないと判断された50歳以上の心房細動患者5599例を、apixaban 5mgの1日2回投与、またはアスピリンの1日81~324mg投与のいずれかにランダムに割り付けた。

 1次アウトカムは(虚血性または出血性)脳卒中または全身性塞栓症の初回発生とした。2次アウトカムは心筋梗塞、血管死、総死亡、主要血管複合イベントの初回発生とした。

 患者の脳卒中リスクの評価にはCHADS2スコアを用いた。intention-to-treat解析を行い、有効性・安全性の解析にはCox比例ハザードモデルとlog-rank検定を用いた。

 対象者5599例中、2216例(40%)にビタミンK拮抗薬投与歴があり、そのうち932例(42%)はINR治療域を維持できないと判断された。2387例(43%)はINR測定を定期的に実施できないか、その可能性があると判断された。1195例(21%)はCHADS2スコア1で脳卒中リスクが中等度であるためビタミンK拮抗薬が不適切と判断され、2092例(37%)はビタミンK拮抗薬の投与を希望しなかった。

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