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Eur Heart J誌から
ブルガダ型心電図+2つ以上の危険因子で高リスク
危険因子が1つ以内なら不整脈イベント発生せず、伊での前向き試験

2011/02/24
難波 寛子=医師

 心停止の既往があるブルガダ症候群は植込み型除細動器(ICD)の適応とされているが、心電図所見のみの患者などに対する治療方針に関しては一定した見解が得られていない。タイプ1のブルガタ型心電図を有する患者のリスクを層化するためにイタリアの5施設で行われた前向き試験から、タイプ1の心電図所見に加えて、臨床的危険因子を2つ以上持つ場合に不整脈イベントのリスクが最も高いことが分かった。この結果はEur Heart J誌1月号に掲載された。

 対象は、1998年以降に対象施設を受診したタイプ1の心電図所見を有する患者320例で、男性が258例、平均年齢は43歳だった。全例、心停止や心室頻拍/心室細動(VT/VF)の既往はなかった。

 タイプ1の心電図所見とは、V1~V3の1つ以上の誘導においてcoved型をなす2mm以上のST上昇が、自発的あるいは抗不整脈薬投与により記録されたものと定義されている。診断目的の心電図は第二肋間で記録した。タイプ2または3の心電図所見を呈した症例には誘発試験が行われ、タイプ1の心電図所見が得られなければ、対象から除外した。

 全例で電気生理学的検査(EPS)を推奨した。心室期外刺激には施設により異なる2つのプロトコールが用いられた。30秒以上持続する心室性不整脈が誘発された場合、EPS陽性とした。

 経過観察は、6カ月ごとまたは症状出現時に行った。全例で最低1年間経過を観察した。突然死またはVT/VFがICDや心電図で記録された場合、主要不整脈イベント(MAE)ありとした。

 対象者の54%で自発的タイプ1の心電図所見が見られた。94例(29%)が突然死の家族歴を有していた。対象者の約3分の1に失神の既往があった。失神の既往がない対象者のうち、46例に突然死の家族歴があり、40例にブルガダ症候群の家族歴(突然死なし)があったが、129例はどちらの家族歴もなかった。

 EPSは245例で行われた。75例はEPSを拒否した。EPSを受けた症例に失神の既往が多かった。

 EPS陽性の割合は有症状(失神)の症例で50%、無症状で32%だった(P=0.07)。自発的タイプ1心電図を呈する症例では49%がEPS陽性で、薬剤で誘発されたタイプ1の場合は26%でEPS陽性だった(P=0.43)。心室刺激のプロトコール別では、プロトコールAでは35/91(38%)が、Bでは61/154(39%)がEPS陽性だった(P=0.84)。


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