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CMAJ誌から
CRTの追加で軽症心不全患者の死亡率低下
12試験を統合したメタ解析で判明、RAFT試験が決め手に

2011/02/18
山川 里香=医学記者

 最適薬物療法または植込み型除細動器ICD)に心臓再同期療法CRT)を追加すると、軽症心不全患者(NYHA心機能分類 I~II度)の総死亡率が有意に低下することが、RAFT試験も含めたメタ解析により判明した。この結果は1月31日、CMAJ誌オンライン版に掲載された。

 最近のRAFT(Resynchronization/ Defibrillation for Ambulatory Heart Failure Trial)試験まで、軽度~中等度のうっ血性心不全患者において、ICDにCRTを追加することで死亡率が低下するかは不明だった。

 カナダ・オタワ大学の研究者らによる今回の解析では、QRS幅が120msec超、軽度症候性または進行した心不全患者における、「最適薬物療法+CRT」対「最適薬物療法単独」および「ICD+CRT」対「ICD単独」の比較を検証した。

 研究デザインが並列またはクロスオーバーのランダム化比較試験を解析対象とした。最適薬物療法の定義は、ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)・β遮断薬・スピロノラクトン(適応がある場合)・利尿薬によるエビデンスに基づいた治療を1カ月以上の継続とした。

 主要アウトカムは、総死亡とした。

 MEDLINE、EMBASE、Cochrane Libraryなどで、心不全患者におけるCRTとICDに関する文献(1980年~2010年12月31日)を検索し、関連性のある系統的レビューの文献目録を手作業で調査した。

 特定した文献3071件から、介入や研究デザインが適合しない文献などを除外し、最終的に12件を解析対象とした。

 変量効果モデルを用いてデータを統合し、治療の有効性を相対リスク(RR)で表現した。I2 統計量を用いて不均一性を評価し、NYHA分類別にサブグループ解析を行った。

 登録患者は合計7538例だった(CRT群4244例、対照群3294例)。そのうち、最適薬物療法+CRT(1342例)と最適薬物療法単独(1013例)を比較していたのは5件、ICD+CRT(2902例)とICD単独(2281例)を比較していたのは7件だった。

 追跡期間は3~40カ月、対象者の63~89%は男性で、平均年齢は62~66歳だった。

 12件すべてに虚血性心筋症患者(患者の38~70%)と非虚血性心筋症患者が組み入れられていた。平均左室駆出率(LVEF)はすべての試験で一貫していた(21~25%)。

 NYHA I~II度のみを対象とした試験は4件、III~IV度のみが4件、残る4件ではI~II度(対象者の8~80%)とIII~IV度(20~92%)が混在していた。

 登録要件としたQRS幅の最小持続時間は試験間で異なっていたが、平均QRS幅は試験全体で同程度だった(153~176msec)。

 CRT植え込み後のランダム化が重要なバイアス源となっていたが、それ以外にはバイアスの可能性は低かった。CRTが総死亡に及ぼす効果を検討したところ、CRTの追加により、死亡率のRRは22%低下していた(RR:0.78、95%信頼区間[95%CI]:0.70-0.87)。



 

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