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J Am Coll Cardiol誌から
ヒドロクロロチアジドの降圧効果は他剤より劣る
24時間自由行動下血圧測定で比較、メタ解析の結果

2011/02/17
西村 多寿子=東京大学

 サイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジドHCTZ)とそれ以外の降圧薬による降圧効果を比較するため、自由行動下血圧(ABP)測定を行ったランダム化比較試験(RCT)を抽出しメタ解析を行ったところ、HCTZによる血圧低下は、他の降圧薬より劣ることが明らかになった。この結果は、J Am Coll Cardiol誌2月1日号に掲載された。

 HCTZは半世紀にわたり使用され、現在も世界中で最も処方されている降圧薬である。米国だけで2008年の1年間に1億3400万件を超える処方があり、2位のアテノロールの4400万件を大きく引き離している。その処方の97%超は12.5~25mg/日の用量である。だが、頻用されているにもかかわらず、HCTZの有効性や安全性についてのエビデンスは不足している。

 米国コロンビア大学を中心とする研究チームは、PubMed、Embase、Cochrane Libraryを用い、検索語を「HCTZ」「hydrochlorothiazide」「ABP」「ambulatory blood pressure」「hypertension」とし、1966~2010年3月に査読のある雑誌に発表された、ヒトを対象としたRCTを調査した。

 メタ解析に含む試験の採用基準は、(1)高血圧患者におけるHCTZとそのほかの降圧薬の降圧効果を24時間ABPで比較、(2)HCTZの単独療法を実施、(3)4週間以上の試験期間──とした。各試験の特性、介入期間、研究方法、ベースラインの統計、24時間ABPと外来血圧の情報を抽出した。

 主要アウトカムは、ベースラインと比較した追跡時の収縮期血圧および拡張期血圧の低下とした。統計解析は、Cochran CollaborationとQUORUM(Quality of Reporting of Meta-analysis)のガイドラインに沿って実施した。

 採用基準を満たしたのは19試験、1463例(平均年齢58歳、男性比率54%)だった。このうち14試験1234例はHCTZ 12.5~25mgを、残りの5試験229例はHCTZ 50mgを投与していた。

 HCTZ 12.5~25mgを使用した14試験におけるベースラインの平均血圧は148±7.5/92±5.6mmHg。平均治療期間17週間の後、収縮期ABPの低下は6.5mmHg(95%信頼区間[95%CI]:5.3-7.7)、拡張期ABPの低下は4.5mmHg(95%CI:3.1-6.0)だった。これらの試験の対照薬(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB]、β遮断薬、Ca拮抗薬)は、いずれもHCTZより降圧効果が高かった。


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