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J Am Coll Cardiol誌
ICDの不適切作動は死亡率上昇と関連
5回で死亡リスクは3.7倍に、ICD装着後の患者1500例を追跡

 ICD植込み型除細動器)を装着した患者の予後を前向きに調査したところ、13%の患者で不適切作動inappropriate shock)が1回以上発生し、回数が増えるほど死亡リスクが上昇することが分かった。オランダの専門施設で実施されたこの調査結果は、J Am Coll Cardiol誌1月27日号に掲載された。

 致死性心室性不整脈の治療に欠かせないICDだが、致死性不整脈時以外の除細動である不適切作動が一定の率で見られ、最近の研究では長期的な死亡率上昇との関連が指摘されている。そこで、オランダ・ライデン大学の研究者らは、単一施設でICD植え込み術を行った患者の追跡調査を行い、不適切作動と予後の関連について検討した。

 対象はライデン大学Medical Centerで、1996~2006年にICD植え込み術を受けた全患者1544例。79%が男性で平均年齢は61±13歳だった。1次予防目的の装着は56%であり、64%は虚血性心疾患の診断を受けていた。

 不適切作動の定義は、心室頻拍または心室細動が先行せずに電気的除細動が起こり、その後、洞調律が確認されたものとした。

 41±18カ月の追跡期間中、3~6カ月に1回の定期受診の際に、ICD内心電図記録を解析し、ICDの作動状況を調べた。その結果、204例(13%)で合計665回の不適切作動が記録されていた。

 ICD装着後、初回の不適切作動までの期間は17±16カ月であり、累積発生率は1年後、3年後、5年後でそれぞれ7%(95%信頼区間[95%CI]:6-9)、13%(95%CI:11-14)、18%(95%CI:15-20)だった。

 観察期間中に死亡した患者は298例(19%)で、1回以上の不適切作動があった患者では不適切作動なしの群に比べて、死亡のハザード比は1.4(95%CI:1.0-2.0、P=0.07)だった。心房細動の既往、年齢70歳以上、NYHA II度以上などの交絡因子を補正したハザード比は1.6(95%CI:1.1-2.3、P=0.01)と有意に高値を示した。

 不適切作動の経験回数が多くなると死亡率がさらに高くなり、1回増えるごとに不適切作動なし群と比べてハザード比が1.4ずつ上昇し(P<0.01)、5回ではハザード比が3.7に上った。

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