日経メディカルのロゴ画像

CMAJ誌から
CCB服用高齢者、マクロライド併用で低血圧リスク増
「重症低血圧やショックを回避するにはアジスロマイシンを」と著者

2011/02/02
山川 里香=医学記者

 Ca拮抗薬(CCB)を服用している高齢患者が、14員環マクロライド系抗菌薬クラリスロマイシンエリスロマイシン)を併用すると、入院を要する低血圧またはショックのリスクが有意に上昇することが分かった。CCBもマクロライド系も処方頻度が非常に高い薬剤だが、これら薬剤の危険な相互作用は十分に理解されていない。この結果は1月17日、CMAJ誌オンライン版に掲載された。

 CCBに分類される薬剤はすべてチトクロームP450(CYP)3A4で代謝されるため、この酵素が阻害されると薬物が代謝されずに蓄積し、毒性を発現する可能性がある。クラリスロマイシンとエリスロマイシンはこの酵素を阻害するが、15員環マクロライド系であるアジスロマイシンは阻害しない。

 こうした潜在的薬物相互作用については正しく評価されておらず、臨床的因果関係もこれまであまり明らかにされていなかった。

 そこで、カナダ・トロント大学の研究者らは、1994年4月1日~2009年3月31日に、CCBを継続処方されたカナダ・オンタリオ州内の66歳以上の居住者を対象として、地域住民ベースのコホート内ケース・クロスオーバー研究を実施した。

 ケース・クロスオーバーという手法を用いれば、一過性曝露に伴うリスクの短時間変化の評価が可能となる。各患者が自らの対照となるため、年齢、性別などの交絡が消滅する。整合ペア解析手法を用いて、入院直前の7日間(リスク期間)における各マクロライド系への曝露を、入院1カ月前の7日間(対照期間)と比較し、CCB服用患者コホート内でネスト化(入れ子に)して、CCB服用中の低血圧リスクのオッズ比を算出した。

 CCB単剤(ベラパミルジルチアゼムニフェジピンアムロジピンフェロジピン)の継続処方を受けた患者99万9234例(年齢中央値:71歳、四分位範囲[IQR]:67~78歳)のうち、低血圧またはショックのため入院したのは7100例だった。

この記事を読んでいる人におすすめ