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J Am Coll Cardiol誌から
CKDではクロピド抵抗性がPCI後の予後と関連
総死亡、心臓死、ステント血栓症、MACEの発生率が有意に高値

2011/02/01
岡本 絵理=メディカルライター

 慢性腎臓病CKD)患者では、クロピドグレル抵抗性があると冠動脈インターベンション(PCI)後の心血管リスクが上昇することが分かった。だがCKDではない患者では、このようなクロピドグレル反応性による差は見られなかった。結果はJ Am Coll Cardiol誌1月25日号に掲載された。

 P2Y12受容体阻害薬であるクロピドグレルに対する反応が低いと、PCI後の予後が悪化するという報告がある。一方、CKDもPCI後の予後に悪影響を与えるが、CKD患者にPCIを実施した場合に、クロピドグレル抵抗性が独立した予後予測因子となっているかについては不明である。

 そこでフランスのストラスブール大学の研究者らは、フローサイトメトリーによるVASP(vasodilator-stimulated phosphoprotein)のリン酸化活性を指標に、CKD患者のクロピドグレル反応性の差が心血管アウトカムに与える影響について調べた。

 2007年9月~08年12月に、急性冠症候群または安定した冠動脈疾患に対しPCIを実施した、任意抽出患者440例を対象とした。入院時に血清クレアチニン値を測定し、推算糸球体濾過量(eGFR)が60 mL/分/1.73 m2未満の対象者をCKD群(126例)、eGFRが60 mL/分/1.73 m2以上の対象者を非CKD群(314例)とした。

 クロピドグレルの初回投与(300または600 mg)から6時間以上経過後に採血し、血小板のVASPリン酸化を測定した。VASPリン酸化はP2Y12阻害の程度を反映しており、血小板反応性指数(PRI)として表される。これまでの知見に基づき、PRIが61%以上の場合にクロピドグレル抵抗性、61%未満の場合にクロピドグレル反応性正常と判断した。

 1次エンドポイントは総死亡、心血管死、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)とした。2次エンドポイントはステント血栓症(ARCの定義でdefinite、probable、possibleの3段階別および全ステント血栓症)、主要有害心イベント(MACE;総死亡・非致死性心筋梗塞・標的病変の血行再建の複合)とした。
 

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