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Arch Neurol誌
スタチンで脳出血既往者の余命が2.2年短縮
主因は脳出血の再発、QALYsに基づく決断分析の結果

 頭蓋内出血(intracerebral hemorrhage:ICH)の既往がある患者に対するスタチン投与の影響を検討したところ、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に出血した脳葉型(lobar) ICHの患者では、生活の質で補正した余命(QALYs)がスタチン投与により2.2年間短くなることが分かった。主因は脳出血の再発だった。この結果は1月10日、Arch Neurol誌オンライン版に掲載された。

 著者の米国ハーバード大学の研究者らは、頭蓋内出血、特にlobar ICHの既往がある患者ではスタチン投与を避けることが望ましいと述べている。

 これまでの研究から、ICHの既往がある患者では、スタチンによってICH再発のリスクが上昇するのではないかと考えられている。そこで今回の研究では、31件の研究をまとめたシステマティック・レビューおよび1件の決断分析の結果をレトロスペクティブにコンピュータ解析し、スタチン投与の有無による予後を比較した。

 対象は、ICHの既往がある65歳以上の男性で、ICHの部位によって、lobar ICHと、視床および大脳基底核に病変がある深部(deep)ICHに分けた。外傷性以外のlobar ICHはアミロイド血管症によるものが多く、再発を繰り返すという特徴がある。

 ICH、虚血性脳卒中、心筋梗塞などのイベントリスク、アウトカム、QOLの具体的な数値は、最近のシステマティック・レビューおよび決断分析の結果を採用した。スタチン治療によるICH発症の相対リスクは、SPARCL(Stroke Prevention by Aggressive Reduction in Cholesterol Levels)試験で得られた1.68を使用した。

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