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Diabetologia誌から
ロサルタンの腎保護効果は血清カリウム上昇で低減
5.0mmol/L以上は腎リスクが増加、RENAAL試験の事後解析

2011/01/21
西村 多寿子=東京大学

 アンジオテシンII受容体拮抗薬ARBロサルタンの腎保護効果を検討したRENAAL(Reduction of Endpoints in NIDDM with the Angiotensin II Antagonist Losartan)試験の事後解析から、ロサルタン群ではプラセボ群に比べて、血清カリウム上昇のリスクが高くなり、5.0mmol/L以上の患者で腎リスクの増加が認められた。この結果は、Diabetologia誌1月号に掲載された。

 RENAAL試験は、2型糖尿病および腎症患者に対するロサルタンの腎保護効果を検討したランダム化比較試験(RCT)で、28カ国250施設1513例が参加し、平均追跡期間は3.4年だった。1次エンドポイントは、血清クレアチニン濃度の2倍増(DSCR)+末期腎不全(ESRD)+死亡で、Ca拮抗薬、利尿薬などの降圧薬を使用している患者にロサルタンを追加することで腎障害の進展が抑制されることを示した。

 オランダ・グローニンゲン大学を中心とする研究チームは、同試験のデータを使用し、(1)試験開始から6カ月時の血清カリウム値を5.0mmol/L以上と5.0mmol/L未満に分け、ロサルタンと血清カリウム値との関係を検討し、(2)追跡期間中の平均血清カリウム値と腎アウトカムの関係を分析した。さらに血清カリウム値増加の予測因子を検討した。

 追跡期間中の血清カリウム値とそのほかの共変量は、開始当初の1カ月と3カ月おきの平均値を腎アウトカム発生時まで算出した。本解析のアウトカムはDSCRとESRDの複合、およびそれぞれ単独でのアウトカムとした。

 血清カリウム値は、ロサルタン群ではベースラインに比べ6カ月時は有意に増加し(4.59mmol/L→4.79mmol/L)、追跡期間中もそのまま高値で安定した。一方、プラセボ群ではベースラインより6カ月時は減少し(4.62mmol/L→4.56mmol/L)、その後も比較的低値で推移した。

 ロサルタン群の血清カリウム値5.0mmol/L以上の患者比率は、ベースラインの22.2%(167例)から6カ月時は38.4%(259例)に増加、5.5mmol/L以上の患者比率も2.9%(22例)から10.8%(73例)に増加した。一方、プラセボ群での5.0mmol/L以上の患者比率は26.2%(200例)から22.8%(151例)に減少、5.5mmol/L以上は4.6%(35例)から5.1%(34例)にとどまった。

 6カ月時の血清カリウム値5.0mmol/L以上の予測因子を検討したところ、ロサルタンの投与(オッズ比[OR]:2.81、95%信頼区間[95%CI]:2.03-3.89)、ベースラインの血清カリウム値(OR:2.26、95%CI:1.51-3.37)、推算糸球体濾過量(eGFR)低下(OR:0.98、95%CI:097-0.99)が強く関連していた。


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