日経メディカルのロゴ画像

JAMA誌から
ガイドラインを逸脱したICD植え込みは予後不良
装着例の2割超が基準外、全米心血管データレジストリーからの解析

2011/01/18
岡本 絵理=メディカルライター

 ガイドラインを逸脱した植込み型除細動器ICD)治療は、ガイドラインに従った治療に比べて院内転帰が不良であることが分かった。米国デューク大学の研究者らが行った後ろ向きコホート研究の結果で、JAMA誌1月5日号に掲載された。

 ICD治療に対する2006年および08年のガイドラインでは、心筋梗塞または冠動脈バイパス術CABG)の回復期にある患者、重度の心不全症状を有する患者、最近心不全と診断された患者に対する、1次予防を目的としたICDの植え込みを推奨していない。しかし、医師がどの程度ガイドラインを遵守しているかは不明である。

 そこで著者らは、ガイドラインを逸脱した(すなわちエビデンスに基づかない)ICD植え込みが行われた患者数、患者特性、院内転帰を調べた。また、施設別、医師の専門分野別、植え込み術実施年別の件数についても調査した。

 著者らは全米心血管データレジストリーNational Cardiovascular Data Registry)のICDレジストリーに登録された症例から、06年1月1日~09年6月30日に1次予防として初回ICD植え込みが行われた、18歳以上の心筋症患者を対象とした。

 (1)心筋梗塞から40日以内にICD植え込みを実施、(2)CABGから3カ月以内にICD植え込みを実施、(3)NYHA(New York Heart Association)分類IVの症状あり、(4)ICD植え込み時に初めて心不全と診断──のいずれか1項目以上が該当する場合に「エビデンスに基づかないICD植え込み」と判定した。

 11万1707例中2万5145例(22.5%)が、エビデンスに基づかないICD植え込みだった。このうち、心筋梗塞から40日以内のICD植え込みは9257例(36.8%)、CABGから3カ月以内のICD植え込みは814例(3.2%)、NYHA分類IVの症状があった患者は3022例(12.0%)、植え込み時に初めて心不全と診断された患者は1万5604例(62.1%)だった。

 エビデンスに基づかないICD植え込み実施患者の院内死亡リスク(0.57%、95%信頼区間[95%CI]:0.48-0.66)は、エビデンスに基づいたICD植え込み群(0.18%、95%CI:0.15-0.20)と比較して有意に高かった(P<0.001)。死亡を含む院内の術後合併症リスクも、前者が有意に高かった(3.23%[95%CI:3.01-3.45]対2.41%[95%CI:2.31-2.51%]、P<0.001)。

この記事を読んでいる人におすすめ