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J Am Coll Cardiol誌から
冠動脈CTは将来の心疾患リスク予測に有用
MACE年間発生率は異常所見ありが8.2%、なしでは0.6%

2010/12/27
難波 寛子=医師

 冠動脈疾患のリスク予測に、やはり冠動脈CT(CCTA)は有用だった。12月8日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載されたメタ解析の結果、CCTA上で冠動脈の閉塞がある患者は、心血管イベント発生リスクが明らかに高いことが確認された。

 CCTAは、冠動脈造影と比較して侵襲が少なく、冠動脈疾患の診断に広く用いられている。診断目的でのCCTAの適正使用についてはガイドラインが定められており、リスク予測目的での使用に関しても有用性が期待されていた。

 1995年1月1日~2010年3月9日に、MEDLINE、Cochrane Database of Systematic Reviewsなどの主要データベースを用いて既報の検索が行われた。検索語は、cardiac、CT、angiography、prognosis、death、myocardial infarction、survivalを用いた。言語は制限せず、対象は成人に限った。

 検索は研究者2人が独立して行った。CCTAを用いた診断研究で、有症状の冠動脈疾患または疑いのある患者を対象に、主要心血管イベント(MACE)、死亡、心筋梗塞、冠動脈血行再建術に関して3カ月以上の経過観察を行った研究を対象とした。観察研究も後ろ向き、前向きともに対象とした。無症状の症例を対象としたスクリーニング、手術前スクリーニング、治療後の定期観察に関する研究は対象としなかった。臨床アウトカムの記述がない研究は除外した。

 抽出したデータは、著者、発表年、研究デザイン、観察期間、対象数、CTスキャナーの種類、対象の年齢、冠動脈疾患症例か疑いか、男性の割合、とした。また、複合アウトカムであるMACE(総死亡、非致死的心筋梗塞、血行再建術、不安定狭心症による再入院)の生データと、総死亡、心血管死亡、非致死的心筋梗塞、血行再建術に関するデータも抽出した。

 Newcastle-Ottawa scaleを用いて、対象となった研究の質が評価された。評価に際し、対象の選択(4項目)、対象集団の適合性(1項目)、アウトカムが検討された。5項目以上の研究を「質のよい」研究とした。

 1次アウトカムは、CCTAで「異常なし」の場合のMACEの陰性尤度比とした。2次アウトカムは、死亡、心筋梗塞、血行再建術の尤度比とこれらのリスクをCCTAで予測する感度とした。患者背景との関連を調べるため、年齢、性別、CTスキャナーの種類、冠動脈疾患の確定診断の有無、研究の質について層別解析も行った。

 検索された2254研究のうち、最初のスクリーニングにより2215研究が除外された。残る39研究について適格性が検討された結果、21研究が除外され、最終的にメタ解析の対象となったのは18研究だった。

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