日経メディカルのロゴ画像

Circulation誌から
ACS後の血圧は、「低いほどよい」とはいえない
110/70mmHg未満は心血管イベントリスクが増加

2010/12/08
西村 多寿子=東京大学

 急性冠症候群ACS)発症後の患者を対象としたランダム化比較試験(RCT)の事後解析を行い、血圧と心血管リスクの関係を検討したところ、イベント発生が最も少ないのは収縮期血圧が130~140mmHg、拡張期血圧が80~90mmHgの範囲であり、110/70mmHg未満はリスクが増加することが明らかになった。この結果は、Circulation誌11月23日号に掲載された。

 米国ニューヨーク大学を中心とする研究グループは、PROVE IT-TIMI 22(Pravastatin or Atorvastatin Evaluation and Infection Therapy-Thrombolysis in Myocardial Infarction 22)と呼ばれるRCTに登録されたACS患者のデータを利用し、血圧と心血管リスクの関係を検討した。

 PROVE IT-TIMI 22は、ACS後の患者に対する強力脂質低下療法(アトルバスタチン80mg/日)と標準的治療(プラバスタチン40mg/日)の死亡および心血管イベント抑制効果を比較したRCTであり、主な結果は2004年に発表された(N Engl J Med 2004;350:1495-504.)。

 1次アウトカムは、総死亡、心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、血行再建術(ランダム化から30日以降に施行)、脳卒中とした。2次アウトカムは、冠動脈疾患による死亡、非致死的心筋梗塞、血行再建術の複合。3次アウトカムは、総死亡、冠動脈疾患による死亡、非致死的心筋梗塞(それぞれ単独)とした。

 収縮期および拡張期血圧は10mmHgごとにグループ分けし、Cox比例ハザードモデルを用いて、各アウトカムの発生リスクを評価した。

この記事を読んでいる人におすすめ