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Hypertens Res誌から
厳格な降圧は高齢者高血圧の転帰を改善せず
140~160mmHgの緩和降圧群と比較、JATOS試験のper-protocol解析

2010/11/30
岡本 絵理=メディカルライター

 高齢者高血圧の至適目標血圧を評価するために日本で行われたJATOS(The Japanese Trial to Assess Optimal Systolic Blood Pressure in Elderly Hypertensive Patients)試験において、厳格降圧群と緩和降圧群で目標に到達した患者だけを比較するPP(per-protocol)解析を実施したところ、既に結果が報告されているITT(intention-to-treat)解析と同じく転帰に有意差はなかった。この結果はHypertens Res誌11月号に掲載された。

 JATOSでは高齢高血圧患者(65~85歳)4418例を、厳格降圧群(収縮期血圧[SBP]を140mmHg未満に維持)2212例と、緩和降圧群(SBPを140mmHg以上160mmHg未満に維持)2206例にランダムに割り付け、2年間追跡した。患者には基礎薬としてエホニジピンを投与した。

 1次エンドポイントは、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作、クモ膜下出血)、心臓・血管疾患(心筋梗塞、入院を要する狭心症、心不全、突然死、解離性大動脈瘤、閉塞性動脈疾患)、腎機能障害(急性・慢性腎不全)の複合とした。

 ITT解析では1次エンドポイントの発生率に差がなかったため、今回、目標血圧値に到達した患者(厳格降圧群: 2212例中1191例[53.8%]、緩和降圧群:2206例中1531例[69.4%])を対象としてPP解析を行った。

 厳格降圧群および緩和降圧群の平均年齢は73.3歳および73.7歳であり、試験参加時の血圧は170.5/89.2mmHgおよび171.1/89.0mmHgだった。

 平均到達血圧は、厳格降圧群が132.3/74.0mmHg、緩和降圧群が146.6/78.3mmHgだった。

 1次エンドポイントの発生率は両群とも同程度だった(1000患者・年当たり11.1対13.2、P=0.502)。Kaplan-Meier法で算出した累積発生率にも有意差はなく、年齢、性別、高血圧治療歴の有無、心肥大の有無で補正したCox比例ハザードモデルによるハザード比は0.88(95%CI:0.53-1.46、P=0.62、図1)だった。

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