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JAMA誌から
高感度トロポニンTが高齢者の心不全発症を予測
50%以上増加した場合、心不全の発症リスクは1.6倍に上昇

 米国での一般高齢者を対象とした前向きコホート研究から、高感度心筋トロポニンTcardiac troponin TcTnT)値と心不全の新規発症、心血管死との間に有意な関連が見られることが分かった。また、経過観察中にcTnTが50%以上増加した場合、増加していない場合に比べて心不全発症のハザード比が1.61に上昇した。この結果は11月15日、JAMA誌オンライン版に掲載された。

 血中cTnT濃度は、急性心筋梗塞などで大幅な上昇を示すため、早期診断のマーカーとして使用されており、基準値は14pg/mL以下とされている。最近では、3.00pg/mLから検出できる高感度測定系の実用化によって低濃度cTnT測定が可能になり、臨床的意義について注目が集まっている。

 これまでの研究では、CRPやNT-proBNPなどのバイオマーカーの1つとして、心血管疾患の予測因子として有用ではないかと考えられているが、まだ一致した結論は得られていない。そこで今回、米国メリーランド大学医学部の研究者らが、心不全と診断されていない一般の高齢者をコホートとして、血中cTnT濃度の推移と長期予後の関連について追跡した。

 この研究は、米国の多施設前向き研究であるCHS(Cardiovascular Health Study)のサブスタディーとして行われた。対象は、65歳以上の一般住民で心不全の診断を受けたことがなく、血中cTnT濃度の測定が可能だった4221人。データの収集・分析はメリーランド大学医学部、テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのスタッフらが実施した。

 4221人の66.2%に当たる2794人で、高感度cTnTが陽性(≧3.00pg/mL)だった。追跡期間は中央値11.8年間(6.5~16.6年)、主要アウトカムは心不全の新規発症および心血管疾患による死亡とした。

 追跡期間中に被験者全体のうち1279人で新規発症の心不全が見られた。cTnTの濃度別に3.00pg/mL未満(1427人)、3.00~5.44pg/mL(697人)、5.45~8.16pg/mL(700人)、8.17~12.94pg/mL(697人)、12.94pg/mL(700人)の5群に分けて検討した。

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