日経メディカルのロゴ画像

JAMA誌から
心房細動の発症予測には家族歴の把握が有用
発症年齢の若い近親者がいるほどハイリスクに

2010/11/24
山川 里香=医学記者

 心房細動AF)の遺伝可能性は立証されており、AFのリスクを高める一塩基多型(SNPs)も一部明らかにされている。フラミンガム研究コホートの追跡から、AFの家族歴がある人は、家族歴がない人に比べてAFの発症リスクが有意に高いことが分かった。従来のAFリスク因子やAF関連の遺伝子変異で調整しても、この関連性は減弱しなかった。この結果は11月13日、JAMA誌オンライン版に発表された。

 これまでAFの家族歴がAFのリスク因子として正式に調査されたことはない。そこで米国・マサチューセッツ総合病院の研究者らは、フラミンガム研究の参加者(4421例、平均54歳、女性54%)とその第1度近親者(親、兄弟姉妹)を、1968~2007年にわたり追跡調査した。

 参加者1人当たりの第1度近親者数は1~10人の範囲だった(中央値3人)。ベースライン時の検査1万1971件のうち、AFの家族歴ありは2393件で、その源は父親(1163件)、母親(1068件)、兄弟姉妹(404件)だった。参加者1人につき罹患血縁者が複数いたケースもあったため、この合計は家族歴のある参加者数を上回っている。罹患血縁者数は1~5人の範囲だった(中央値1人)。

 クリニック受診時の心電図検査、外部の医療機関での心電図検査、ホルター心電図検査で心房粗動または心房細動が発見された場合、あるいは通院記録で指摘された場合、AF罹患とした。家族歴を知らない医師2人がAFイベントを判定した。

 家族のAFは参加者1185例(26.8%)に発生し、うち若年発症の家族歴(発症時65歳以下)は351例だった(7.9%)。

 家族歴のある参加者の方が、家族歴のない参加者よりもAF発症率は高く(調整前の絶対的発症率はそれぞれ5.8%、3.1%)、従来のAFリスク因子やAF関連の遺伝子変異で調整してもこの関連性は減弱しなかった(多変量調整後のハザード比[HR]:1.40、95%信頼区間[95%CI]:1.13-1.74、P=0.002)。

 遺伝的にAFと関係があるが、臨床現場では必ずしも入手可能ではないPR間隔を除去しても、家族歴の関連性は実質的に不変だった。同様に、糖尿病などのAFと関係のある遺伝性疾患を組み入れた場合も、家族歴の効果推定値が著しく変化することはなかった。

 AFリスクは、罹患している第1度近親者数の増加と関連性があった(罹患近親者1人につきHR:1.24、95%CI:1.05-1.46)。

この記事を読んでいる人におすすめ