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Arch Intern Med誌から
血清カリウム濃度が低いほど2型糖尿病リスクが増加
米国の大規模コホート研究ARICの参加者を9年間追跡

2010/11/18
岡本 絵理=メディカルライター

 糖尿病のない人々を9年間追跡したところ、ベースライン時の血清カリウム濃度が低かった群では高かった群よりも2型糖尿病が多く発生していた。この結果はArch Intern Med誌10月25日号に掲載された。

 これまでにサイアザイド系利尿薬と糖尿病リスク上昇との関連が指摘されているが、その機序に低カリウム血症が介在していることが最近のHypertension in Elderly Program(SHEP)試験で確認されている。

 そこで米国の研究グループは、動脈硬化リスクに関する地域コホート研究であるARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)のデータを解析し、利尿薬使用の有無にかかわらず血清カリウム濃度が低ければ糖尿病リスクが上昇するか調べた。また、食事によるカリウム摂取量と糖尿病リスクとの関連についても解析を行った。

 ARICでは45~65歳の成人を対象とし、1986~89年に参加者を登録。98年までの約9年間は3年ごとに対面追跡調査を実施し、その後は06年まで8年間、電話による追跡調査を毎年実施した。

 ベースライン時に糖尿病がなく除外基準(血清カリウム濃度が5.5mEq/Lを上回るなど)に相当しなかった1万2209例について解析を行った。食事によるカリウム摂取量の解析では、データが揃っており1日のカロリー摂取が基準範囲内だった1万1530例を解析した。

 糖尿病は、(1)空腹時血糖値が126mg/dL以上、(2)非空腹時血糖値が200mg/dL以上、(3)医師に診断されたと参加者が報告、(4)糖尿病治療薬の使用──のうち1つ以上に該当した場合に発症とみなした。

 参加者を、(1)ベースライン時の血清カリウム濃度が4.0mEq/L未満、(2)4.0mEq/L以上4.5mEq/L未満、(3)4.5mEq/L以上5.0mEq/L未満、(4)5.0mEq/L以上5.5mEq/L以下──の4群に層別化した。

 カリウム摂取量については、参加者を(1)1.37mg/kcal未満、(2)1.37mg/kcal以上1.63mg/kcal未満、(3)1.63mg/kcal以上1.93mg/kcal未満、(4)1.93mg/kcal以上──に四分位した。

 血清カリウム濃度とカリウム摂取量のいずれについても、糖尿病発症との関連をCox比例ハザードモデルにより解析した。

 ベースライン時の参加者平均年齢は54歳であり、女性は56%、アフリカ系米国人は22%だった。平均体重指数(BMI)は27、平均血清カリウム濃度は4.4mEq/Lだった。

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