日経メディカルのロゴ画像

J Am Soc Nephrol誌から
高齢の透析患者はSBPが低いほど死亡率上昇
若年者ではSBP160超で死亡率上昇、年齢により逆の傾向

2010/11/02
難波 寛子=医師

 これまでの透析患者に関する観察研究では、血圧と死亡率がU字型の関係を示すと報告されているが、それらの研究対象には背景の異なる多種多様な患者が多く含まれており、患者背景が血圧と死亡率に影響する可能性がある。J Am Soc Nephrol誌11月号に掲載された、透析患者約1万6000例を対象としたコホート研究の結果、高齢者糖尿病患者では収縮期血圧SBP)が低いほと死亡率が高かったが、若年者では逆にSBPが高いほど死亡率が上昇していた。また、高齢者では白人よりも黒人の生存率が高かった。

 今回の研究対象は、Dialysis Clinic Incorporated(DCI)の施設で2000年1月1日~06年12月31日に透析を開始した患者で、透析開始の時点で20歳以上かつ透析開始から150日以上生存した症例。除外基準は、(1)腎移植の既往や腹膜透析、(2)DCI以外での長期の透析開始、(3)性別年齢や末期腎不全(ESRD)発症時のデータが不十分──とした。

 死亡率のフォローアップは、腎移植や腹膜透析への移行、DCIからの転院や透析離脱、07年12月31日の研究終了のいずれかまで行った。血圧は透析前に座位で測定したデータを用いた。
  
 1万6283例の透析患者がフォローアップの対象となった。観察期間は3万2042人・年(中央値1.5年)で、6250例が死亡した。

 糖尿病がERSDの原因である割合は、50歳未満、50~69歳、70歳以上でそれぞれ36.1%、56.7%、40.4%だった。白人(64.8±14.4歳)は黒人(57.3±14.9歳)より高齢だった。収縮期のみの高血圧は糖尿病患者に多かった(P<0.001)。収縮期と拡張期ともに高血圧である患者は黒人に多かった。拡張期のみの高血圧は少数だった(≦0.3%)。

この記事を読んでいる人におすすめ