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N Engl J Med誌から
クロピドグレルとPPIの合剤で消化管出血が減少
心血管リスクはPPI併用の有無と関連なし、COGENT研究

2010/10/26
難波 寛子=医師

 プロトンポンプ阻害薬PPI)は抗血栓療法中の消化管出血予防に有用と考えられているが、クロピドグレルとの併用に関するランダム化比較試験(RCT)は行われていなかった。抗血栓療法の適応となる症例を対象に、PPIの併用に関するプラセボ対照二重盲検RCTを行ったところ、クロピドグレルとPPIの併用により消化管合併症は有意に減少するとともに、心血管リスクはクロピドグレル単独と同等だったことが確認された。この結果は10月6日、N Engl J Med誌オンライン版に掲載された。

 COGENT(Clopidogrel and Optimization of Gastrointestinal Events Trial)と名付けられた本研究は、Cogentus Pharmaceuticals社がスポンサーとなり、クロピドグレル(75mg)とオメプラゾール(20mg)の配合剤であるCGT2168の有効性と安全性を確認する目的で行われた。

 当初は対象3200例、最長観察期間2年が予定された。目標症例数は上部消化管出血の発生数により、途中で4200例に、さらに5000例にまで増やした。143回の消化管出血が確認された時点で終了予定だったが、スポンサーが資金調達不能となったため完遂前に中止された。その後、Cogentus Pharmaceuticals社は破綻した。

 対象は21歳以上で12カ月以上のクロピドグレルとアスピリンの内服が予定されている患者で、急性冠症候群(ACS)患者または冠動脈ステント留置予定の患者を含んでいた。2008年1月から12月までの期間、15カ国393施設から患者が登録された。

 被験者は、配合剤投与群(PPI群)とクロピドグレル単独群(プラセボ群)にランダムに割り付けられた。対象全員が75~325mg/日の腸溶性アスピリンを内服した。

 ランダム化後48時間以上入院を継続する予定の患者は除外された。その他の除外基準は、(1)PPI・H2ブロッカー・スクラルファート・ミソプロストールのいずれかの投与が必要である、(2)食道びらん、胃または食道静脈瘤、内視鏡以外の胃の手術の既往がある、(3)ランダム化前に21日間以上にわたりチエノピリジン系薬剤の投与歴がある、(4)試験中安全に中止することが不可能な経口抗凝固療法を現在受けている、(5)血栓溶解療法を最近受けた──ことである。

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