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N Engl J Med誌から
重症低血糖は心血管イベントや死亡と強く関連
非血管イベントリスクも上昇、ADVANCE試験のサブ解析

2010/10/19
岡本 絵理=メディカルライター

 2型糖尿病患者を対象として血糖の厳格管理と標準管理を比較したADVANCE試験のサブ解析から、重症低血糖に伴い心血管疾患や死亡を含む様々な有害イベントのリスクが上昇することが分かった。この結果はN Engl J Med誌10月7日号に掲載された。

 ADVANCE試験では、2001年6月から03年3月まで20カ国215施設で参加者を募集し、55歳以上の2型糖尿病患者1万1140例を登録した。今回の研究では、その参加者を対象として重症低血糖とその後の心血管イベントおよび死亡のリスクとの関連を調べた。

 血糖値が2.8mmol/L(50mg/dL)未満であるか、低血糖の典型的な症状や徴候があり、ほかに明らかな原因を認めない場合を低血糖症と定義した。加えて一過性の中枢神経系障害が生じ、自分では対処できず他者の助けを必要とした場合、重症と判定した。

 1次臨床アウトカムは、最初の主要大血管イベント(心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)および最初の主要細小血管イベント(新規腎症、腎症増悪、網膜症)。2次臨床アウトカムは総死亡、心血管死亡とした。

 ベースライン時やランダム化後に測定した共変量について補正したCox比例ハザードモデルを用い、重症低血糖と各転帰のリスクとの関連を調べた。

 追跡期間の中央値は5年であり、この間231例(2.1%)に重症低血糖が1回以上発生した。そのうち150例が血糖厳格管理群(5571例の2.7%)、81例が血糖標準管理群(5569例の1.5%)だった(ハザード比[HR]:1.86、95%信頼区間[95%CI]:1.40-2.40)。

 重症低血糖例の死亡は、厳格管理群718例中26例、標準管理群369例中19例だった。重症低血糖がなかった患者の死亡は、厳格管理群2万6034例中472例、標準管理群2万6392例中514例だった。重症低血糖があった患者の年間死亡率は厳格管理群が標準管理群より少なかったが(3.6%対5.1%)、重症低血糖がなかった患者の年間死亡率は同程度だった(1.8%対1.9%)。

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