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Circulation誌から
QT延長症候群、ICD適応の見極めは
適切作動例は全症例の28%、判断には危険因子のスコアリングが有用

 QT延長症候群LQTS)で植込み型除細動器ICD)を装着した233例を追跡したところ、平均4.6年間で28%の患者で心室細動などに伴う1回以上の適切作動が記録された一方、25%にICD装着に伴う合併症が見られた。この結果はCirculation誌9月28日号に掲載された。著者らは、危険因子のスコアリングで適用を絞り込めばICDの有効性をさらに高められるだろうと指摘している。

 LQTSは約2000人に1人の割合で見られる。遺伝性の症例が多いため、無症状で発見されてICDを装着されるケースも多い。1993年に先天性LQTSの診断基準を発表し、LQTSの研究を続けているSchwartz氏を含むイタリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツなど欧州9カ国の研究グループは、European LQTS ICD Resistryというデータベースを使用して、LQTSでICDを装着した登録者全員を追跡調査した。

 経過観察中に1回以上の適切作動を経験した患者は63例(28%)で、作動回数は延べ1159回だった。内訳は心室細動(VF)24例、心室頻拍(VT)18例、VFとVTの併発21例などだった。不適切作動を経験した患者は19例(作動回数延べ86回)であり、内訳はセンシング異常9例、上室性頻拍7例、リードの断裂・位置異常3例、心房細動1例などだった。

 ICD装着に伴う合併症は全体のうち58例(25%)で見られ、そのうち装着に伴う感染および心内膜炎7例、心筋穿孔3例、リード修正のために開胸手術が必要となった2例など、重篤な合併症は15例だった。軽症の合併症は40例であり、リードの断裂・遊離、位置異常などリード関連24例、本体交換を必要とする誤作動・不適合、位置修正を要する本体の位置異常など本体関連が10例だった。

 今回の研究結果を踏まえて著者らは、(1)年齢が20歳未満、(2)QTcが500ミリ秒を超える、(3)心停止の既往がある、(4)他の治療を受けているにもかかわらずイベントがあった──の4つの危険因子を挙げてスコアリングする新基準を提唱した。QTcは550ミリ秒を超えると2点、500~550ミリ秒で1点、500ミリ秒以下を0点とし、ほかの3項目は該当すれば1点としてスコア化した。


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