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Am J Cardiol誌から
「スタチンをファストフードの付け合わせに」
脂質過剰摂取による心血管リスク上昇はスタチンで中和できる・・・

2010/10/08
岡本絵理=メディカルライター

 脂質の過剰摂取による相対的な心血管リスク上昇を定量化した試験と、スタチンによる冠動脈疾患の1次予防効果を見たランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスを並列させて評価したところ、脂質過剰摂取に伴う心血管リスク上昇はスタチンで中和できることが示された。この結果はAm J Cardiol誌8月15日号に掲載された。
 
 ファストフードによる過剰な脂肪摂取のため上昇した相対的リスクをスタチンが中和するかどうかを直接調査した研究はない。著者らは、(1)心血管リスクは不健康な食事に比例して上昇する、(2)心血管リスクはスタチン摂取に比例して低下する、(3)動脈硬化リスクが高い人ほどスタチンが効く、(4)スタチン1錠が食事による心血管リスク上昇を抑制するならば、消費者はその機序が何であるかは気にしないだろう──という仮定に基づき、スタチンがリスクを相殺する程度を割り出すことができると考えた。

 著者らは脂質摂取による心血管リスク上昇を定量化する最適なガイダンスとして、健康な男性医療従事者4万3757例の大規模コホート試験を利用した。この試験は1986年から96年までの期間に、心血管疾患や糖尿病のない40~75歳の男性を対象として実施された。

 この試験では、総脂質摂取量に応じて患者を五分位したところ、最低分位群(総脂質摂取量53g)に対する最高分位群(総脂質摂取量89g)の、多変量補正後の非致死的心筋梗塞および致死的冠動脈疾患の相対リスクは、1.23(95%信頼区間[95%CI]:0.96-1.57)だった。

 トランス型不飽和脂質についても同様の傾向が見られ、最高分位群(トランス脂質4.3g)の相対リスクは最低分位群(1.5g)に対し1.4(95%CI:1.10-1.79)だった。最低分位群の脂質摂取量に対する各分位群の増加量の中央値は主要心血管イベントと関連があり、対数線形関係で近似させることができた。

 次に著者らは、インターネット上で無料公開されている有名ファストフード店の栄養素含有量情報を調べ、上記試験の第三分位群および最高分位群について、最低分位群に対する総脂質およびトランス脂質の増加量に相当する食品を割り出した。総脂質量とトランス脂質量は、クォーターパウンダーでそれぞれ19gと1g、クォーターパウンダー・チーズで26gと1.5g、ミルクシェイクで10gと1gだった。

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