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Ann Intern Med誌から
PPI自体が心筋梗塞後の心血管リスクを高める
クロピド併用時の影響はCYPと無関係、デンマークの大規模観察研究

2010/10/06
難波 寛子=医師

 急性心筋梗塞AMI)後しばしば併用されるクロピドグレルプロトンポンプ阻害薬PPI)は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)2C19を共有するため、クロピドグレルの活性代謝物への変換がPPIにより阻害される可能性が懸念されている。Ann Intern Med誌9月21日号に掲載されたデンマークでの大規模コホート研究の結果、クロピドグレル併用の有無にかかわらず、PPI投与自体がAMI後患者の心血管リスクを上昇させることが示された。

 最近では、PPIがクロピドグレルの血小板凝集抑制作用をex vivoで阻害することが報告されているが、臨床研究では一定した見解が得られていない。一方で、米食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)は、さらなる研究の必要性を強調しつつも両者の併用を控えるよう勧告している。

 デンマークではすべての住民に固有の登録番号があり、様々な登録データと連動している。本研究は、465万人の入院、処方薬の請求、死亡についてのデータベースを用いて行われた。

 対象はNational Patient Registryに登録された、2000年から06年の間にAMIで入院した30歳以上の患者。過去にAMIの既往があったり、データが不十分の者は除外した。退院後30日以上生存した患者を解析対象とした。

 デンマークの処方薬登録データを用いて退院後90日までに請求された処方薬を調べた。また、退院後1年間のPPIとH2ブロッカーの処方についても調べた。

 1次アウトカムは心筋梗塞による再入院、脳卒中、心血管死の複合とした。2次アウトカムは総死亡、心血管死、心筋梗塞による再入院、脳卒中、上部消化管出血とした。

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