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N Engl J Med誌から
手術不適応の重度大動脈弁狭窄にはTAVIが有効
標準治療と比べて死亡リスクが有意に低下、PARTNER試験

2010/10/04
西村 多寿子=東京大学

 手術適応のない重度大動脈弁狭窄症患者を、経カテーテル大動脈弁留置術TAVI)群と、バルーン大動脈弁形成術BAV)を含む標準治療群に割り付け、1年間追跡したところ、TAVIは標準治療に比べて死亡と再入院のリスクを有意に減少させた。この結果は9月22日、N Engl J Med誌オンライン版に掲載された。

 重度大動脈弁狭窄症患者の少なくとも30%は、高齢や左室機能不全、合併症のため外科手術の適応外とされる。このような高リスク患者に対する低侵襲な治療法として、近年TAVIが注目されている。

 PARTNER(Placement of Aortic Transcatheter Valves)と名付けられた本試験は、米国17施設を含む21施設で実施された。対象は、重度大動脈弁狭窄症と心疾患(NYHA分類 II~IV度)を有し、外科的大動脈弁置換術が不適応の患者とした。重度大動脈弁狭窄症の定義は、大動脈弁口面積0.8cm2未満、平均圧較差40mmHg以上、または最高血流速度4.0m/s以上とした。

 ただし、二尖弁または石灰化していない大動脈弁、急性心筋梗塞、血行再建が必要な冠動脈疾患、左室駆出率20%未満、大動脈径18mm未満または25mm超、重篤な僧帽弁または大動脈弁逆流、6カ月以内の一過性脳虚血発作または脳卒中、重度の腎不全のある患者は除外した。外科手術の適否は、少なくとも2人の外科医の判定を必要とした。

 TAVIの使用デバイスはSAPIEN(Edwards Lifesciences社)で、標準的なBAV後に、経大腿動脈で22または24Frのシース(弁サイズ23mmまたは26mm)を挿入した。術中はヘパリンを投与、術後6カ月間はアスピリンとクロピドグレルを投与した。

 1次エンドポイントは1年後の総死亡とし、1次複合エンドポイントは総死亡または弁や手技に関連した臨床症状悪化による再入院とした。2次エンドポイントは、30日後と1年後の心血管死、NYHAの変化、6分間歩行テスト、再入院、心筋梗塞、脳卒中、急性腎障害、血管合併症、出血とした。


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