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Circulation誌から
無症状ARVC/ARVDに対する予防的ICDの適応は
失神の既往があれば必要だが、家族歴だけでは否定的

2010/09/27
難波 寛子=医師

 不整脈原性右室心筋症/不整脈原性右室異形成ARVC/AVRD)患者の突然死予防には、植込み型除細動器(ICD)が標準的に用いられる。心室細動(VF)や持続性心室頻拍(VT)の既往がある場合、ICDの適応は論を待たない。しかし、無症状ARVC/D患者に対するICD植え込みの是非は不明だった。

 VFおよび持続性VTの既往がなくICD植え込みを受けた症例を対象とした多施設共同研究の結果、無症状のARVC/D患者はICDにより突然死は避けられるものの、コスト面やQOLおよび合併症などに問題があり、一律的なICD植え込みの適応には疑問のあることが分かった。この結果は、Circulation誌9月21日号に掲載された。

 対象症例は、VFおよび持続性VTの既往がないがICD植え込みを受けたARVC/D患者106例。欧米の6施設が参加した。

 すべての症例は、欧州心臓学会および国際心臓連合の心筋症委員会によるARVC/D診断基準を満たしていた。記録式心内心電図つきのICD植え込みに成功し、植え込み後6カ月以上の観察期間を有する症例が対象になった。

 ICD植え込み前の電気生理学的検査は、106例中67例(60%)に行った。すべての抗不整脈薬は、検査前、半減期の5倍以上(アミオダロンは6週間以上)前に中止した。

 それぞれの参加施設において対象症例を、3から6カ月ごとにフォローアップした。ICD作動後は、ICDを確認し心電図記録を回収した。

 記録された心内心電図により確認できた心室性頻脈性不整脈に対するICDショックとオーバードライブペーシングを、適切なICD作動と定義した。一方、上室性頻脈性不整脈や洞性頻脈に対するICDの作動や、装置の機能不全によるものは、不適切なICD作動とした。

 ICD植え込みを行わない場合の予測生存曲線は、最初のVF/Vfl(心室粗動)エピソードを突然死の代替エンドポイントとみなして作成、実際の対象の生存曲線と比較した。

 失神は、回復に電気カウンターショックを必要としない突然の意識消失と定義した。失神のエピソードは、心臓外の原因に関連せず、明らかな心室性不整脈や反射性の血管緊張・心拍の変化をもたらす原因のないものとした。2回以上の失神は反復性とした。

 非持続性心室頻拍(NSVT)は、運動負荷または24時間ホルター心電図で確認できた、3連続以上かつ脈拍100bpm以上の心室性期外収縮で持続が30秒未満のものと定義した。24時間以内に3回以上VT/VFに対するICD作動を必要とした場合、VT stormとした。
 

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