日経メディカルのロゴ画像

Lancet誌から
高齢者ではステント留置術より内膜摘除術が優位
症候性の頸動脈狭窄を対象とした3つのRCTのメタ解析

2010/09/24
西村 多寿子=東京大学

 症候性頸動脈狭窄に対するステント留置術CAS)と内膜摘除術CEA)を比較したランダム化試験(RCT)の患者データを用いてメタ解析を行ったところ、70歳未満の患者における脳卒中または死亡のリスクはCAS群とCEA群で同等だったが、70歳以上ではCASのリスクはCEAの約2倍だった。この結果は9月10日、Lancet誌オンライン版に掲載された。

 症候性頸動脈狭窄の治療においてCASはCEAより脳卒中の短期リスクが高いと指摘されてきたが、個々の試験では、患者特性の違いによる治療効果の差を調べるには検出力が不十分だった。

 本研究は、3つのRCT(EVA-3S[Endarterectomy versus Angioplasty in Patients with Symptomatic Severe Carotid Stenosis]、SPACE[Stent-Protected Angioplasty versus Carotid Endarterectomy]、ICSS[International Carotid Stenting Study ])の個人データを集積して解析した。

 これらのRCTは、(1)中等度から重症の症候性頸動脈狭窄(血管造影で50%以上の狭窄)患者を対象とする、(2)患者はCASとCEAのいずれも適応がある、(3)患者を同じ比率で2群に割り付けている──の条件を満たした。本メタ解析でのデータ使用は、各試験のデザイン段階で計画された。

 同じく症候性頸動脈狭窄に対してCASとCEAの効果を比較したRCTであるCREST(Carotid Revascularization Endarterectomy versus Stent Trial)の患者データは今回の解析には含まれていないが、将来的には組み入れられる予定である。

 1次アウトカムは、すべての脳卒中(any stroke)と死亡の複合とした。2次アウトカムは、修正Rankinスケール3以上の障害をもたらす脳卒中(disabling stroke)と死亡の複合、総死亡、すべての脳卒中、心筋梗塞、重症の局在性血腫、重症の創感染とした。

 intention-to-treat(ITT)解析では、ランダム化から120日間に発生した両群のアウトカムを比較した。割り付けられた治療を実際に受けた患者のみを対象としたper-protocol(PP)解析では、初回の血行再建術から30日間のアウトカムを比較した。

 3試験の参加者のうちITT解析の組み入れ基準を満たした患者は3433例(CAS群1725例、CEA群1708例)。ベースライン時の平均年齢69.5歳、男性の比率72%で、そのほかの両群の患者特性もほぼ同等だった。

この記事を読んでいる人におすすめ