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Circulation誌から
ホモアルギニンは心血管死亡の強力な予測因子
心血管リスクが中等度・重度の2コホートの追跡で判明

2010/09/22
岡本 絵理=メディカルライター

 心血管リスクが中等度および重度の患者を対象とした2つのコホートにおいて、血清ホモアルギニン濃度によって層別化したところ、ホモアルギニン濃度の低い群では高い群より心血管死亡と総死亡が有意に増加していた。この結果はCirculation誌9月7日号で発表された。

 ホモアルギニンはリジンから誘導されるカチオン性アミノ酸の1種であり、 (1)一酸化窒素NO)の前駆物質となる、(2)アルギナーゼを抑制することで間接的にNO合成酵素の主な基質であるLアルギニンの細胞内濃度を高める──という2つの経路を介してNO利用能を上げるとされる。また、内皮機能増強、血小板凝集抑制、インスリン分泌促進への関与も示唆されている。

 そこでドイツの研究者らは、血清ホモアルギニン濃度が心血管アウトカムおよび総死亡に与える影響について調べた。

 今回の検討で研究グループは、心血管リスクの異なる2つのコホートを解析対象とした。すなわちLURIC(LUdwigshafen RIsk and Cardiovascular Health Study)研究の、冠動脈血管造影を目的として紹介受診した急性冠症候群患者(中等度リスク)のコホートと、4D(Die Deutsche Diabetes Dialyse Studie)研究の、血液透析を受けている2型糖尿病患者(重度リスク)のコホートである。

 各研究のベースライン時に血液を採取し、LURIC研究のコホート3305例と4D研究コホート1244例で血清ホモアルギニン濃度を測定した。

 LURIC研究では、NO代謝に関連する可能性のある要因、すなわち腎機能、内皮障害マーカー(細胞接着分子1[ICAM1]および血管細胞接着分子1[VCAM1])、フィブリノーゲン、Dダイマーを測定し、ホモアルギニンとの関連を調べた。

 血清ホモアルギニン濃度により各コホートの患者を四分位し、心血管死亡および総死亡を評価した。両研究とも、心血管死亡には心突然死、致死的心筋梗塞、うっ血性心不全による死亡、冠動脈疾患治療のためのインターベンション後の死亡、その他の心原性死亡、致死的脳卒中が含まれていた。

 LURIC研究のコホートの平均血清ホモアルギニン濃度は2.6±1.1μmol/Lだった。このコホートの血清ホモアルギニン濃度は推定糸球体濾過量(eGFR)と正の相関があり(r=0.23、P<0.001)、ICAM1およびVCAM1と負の相関があった(r=-0.16、P<0.001およびr=-0.23、P<0.001、データが入手可能だったのは1945例)。フィブリノゲン、Dダイマーについても負の相関が見られた(r=-0.25、r=--0.28、いずれもP<0.001)。

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