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Lancet誌から
INR管理が悪いほどdabigatranの優越性際立つ
管理良好の場合でもワルファリンに非劣性、RE-LY試験のサブ解析

 INRプロトロンビン時間国際標準比)のコントロール状況別に新規経口抗凝固薬dabigatranの有効性と安全性を比較したところ、INRのコントロールが悪いほど、dabigatran投与群で心血管イベントの発生率が低く、大出血の副作用も少ないことが分かった。

 心房細動患者を対象として、dabigatranのワルファリンに対する非劣性を検討した大規模臨床試験RE-LY(Randomized Evaluation of Long-term Anticoagulation Therapy)のサブ解析の結果だ。8月29日、Lancet誌オンライン版に掲載された。

 dabigatranは、ワルファリンとは作用点が違う直接トロンビン阻害薬であるため、ビタミンKの影響を受けず、原則として頻回の血中濃度モニタリングや投与量の調整を必要としない。RE-LY試験の主成績は既に報告され、dabigatranの有効性と安全性はワルファリンと同等以上であることが明らかになっている(関連記事1関連記事2)。

 RE-LY試験では、脳卒中危険因子を1つ以上有する非弁膜症性心房細動患者1万8113例(44カ国、951施設)をdabigatran 110mg1日2回投与群(6015例)、150mg1日2回投与群(6087例)、ワルファリン投与群(6022例)に無作為に割り付け、中央値で2年間追跡した。

 その結果、1次アウトカム(脳卒中および全身性塞栓症)の年間発生率はワルファリン群で1.7%、dabigatran 110mg群で1.5%、150mg群で1.1%と、dabigatran両群のワルファリンに対する非劣性が示され、150mg群ではワルファリンに比べて有意に減少していた。安全性評価項目のうち大出血はdabigatran 150mg群3.1%、ワルファリン群3.4%と同等だったが、110mg群では2.7%と有意に低率だった。

 ワルファリン投与群ではINRのコントロール目標を2.0~3.0としたが、実際にその目標値を維持する時間(time in therapeutic range:TTR)は個人間、施設間、地域間でばらつきがあり、その違いが患者アウトカムに影響を及ぼしている可能性がある。そこで今回のサブ解析では、INRのコントロール状況別にアウトカムを比較検討した。

 今回の解析では、INRのコントロール状況として、各施設の平均TTR(cTTR)を各患者の平均TTRとみなし、四分位範囲(57.1%未満、57.1~65.5%、65.5%~72.6%、72.6%超)に分けて検討した。

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