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JAMA誌から
1年以内の虚血イベントの既往が最も高リスク
アテローム血栓症リスク者3万例超を追跡したREACHレジストリーから

2010/09/16
山川 里香=医学記者

 アテローム血栓症の危険因子を有する外来患者を対象に、世界29カ国で心血管イベントの発生を追跡した長期前向き観察研究の結果、最も強力なリスク予測因子は「1年以内の虚血イベントの既往」だったことが明らかになった。8月30日、JAMA誌オンライン版に掲載された。

 臨床医も研究者も、将来の心血管イベントのリスクが高い患者の同定に苦労している。虚血イベントの既往、多血管病(polyvascular disease)、糖尿病は、心血管イベントの予測因子とされているが、将来のリスクにこれら因子がどのくらい寄与するかは不明だ。

 そこで、アテローム血栓症のリスクを持つ外来患者を対象とした国際前向き観察研究REACH(REduction of Atherothrombosis for Continued Health)レジストリーの研究者らが、データを用い、将来の心血管イベントリスクに対するこれら因子の寄与度を比較評価した。

 同レジストリーには、45歳以上でアテローム性動脈硬化症の危険因子を3つ以上有する人や、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、脳血管疾患を有する患者を登録した。

 ベースラインから4年後まで、1年ごとにデータを収集した。2003年~04年に患者を登録し、08年まで追跡した。当初、追跡期間は2年間の予定だったが、さらに2年間延長した。4年間の追跡に参加しなかった国や施設のデータは、結果から除外した。

 ベースラインでは6万8236例を登録したが、その後来院しなかった患者などを除外し、最終的に3万1195例が解析対象になった。

 ベースライン特性は、平均年齢68.4歳、約3分の2が男性で、高血圧(81.3%)、高コレステロール血症(70.4%)、糖尿病(43.6%)、多血管病(15.9%)、虚血イベントの既往(48.4%、うち28.1%が登録前1年以内に発生)などだった。

 Cox回帰モデルで多変量解析を行ったところ、ベースラインのリスク別の心血管死、心筋梗塞、脳卒中の予測因子は、多血管病 対 危険因子のみ(ハザード比[HR]:1.99、95%信頼区間[95%CI]:1.78-2.24)、うっ血性心不全あり 対 なし(HR:1.71、95%CI:1.60-1.83)、1年以内の虚血イベント 対 虚血イベントなし(HR:1.71、95%CI:1.57-1.85)、糖尿病の既往あり対なし(HR:1.44、95%CI:1.36-1.53)、1年以上前の虚血イベント 対 虚血イベントなし(HR:1.41、95%CI:1.32-1.51)などだった(いずれもP<0.001)。



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