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N Engl J Med誌から
CKD合併高血圧、厳格血圧管理の効果は限定的
ベースライン時蛋白尿を認めた患者では有効、RCT後の長期観察の結果

2010/09/15
西村 多寿子=東京大学

 高血圧のある慢性腎臓病CKD)患者に対して、血圧の厳格管理群と通常管理群を比較するランダム化試験(RCT)を3年間実施し、その後5~8年間、一律の降圧目標下で治療を継続したところ、腎関連イベントの発生について両群間に有意差は見られなかった。ただし、ベースライン時に蛋白尿のある患者に限った場合、厳格管理群では通常管理群よりもCKD悪化のリスクが低下した。この結果はN Engl J Med誌9月2日号に掲載された。

 AASK(African-American Study of Kidney Disease and Hypertension)と名付けられた本試験の対象は、18~70歳の黒人で、高血圧を有するCKD患者(拡張期血圧95mmHg超、糸球体濾過量[GFR]20~65ml/分/1.73m2と定義)とした。ただし糖尿病、尿蛋白/クレアチニン比2.5超、悪性高血圧、2次性高血圧、重篤な全身性疾患、心不全、試験薬が禁忌の患者は除外した。

 本試験は2相からなり、試験相(trial phase)の後にコホート相(cohort phase)を設定した。

 試験相は1995年2月から98年9月までを登録期間とし、2001年9月まで追跡した。3×2のファクトリアルデザインで、降圧治療はramipril(ACE阻害薬)、メトプロロール(徐放性β遮断薬)、アムロジピン(Ca拮抗薬)の3群のいずれかに割り付け、さらに血圧の厳格管理群と通常管理群にランダムに割り付けた。

 厳格管理群での降圧目標は、平均動脈圧92mmHg以下(収縮期血圧130mmHg/拡張期血圧80mg未満に相当)、通常管理群では102~107mmHg(収縮期血圧140mmHg/拡張期血圧90mgに相当)とした。最大用量でも降圧目標に達しない場合はフロセミド、ドキサゾシン、クロニジン、ヒドララジン、ミノキシジルを追加投与した。

 コホート相は02年4月に開始し、07年6月に終了した。試験相の間に末期腎不全(ESRD)の診断のなかった患者はコホート相に移行した。試験相で割り付けられた3種の降圧薬をramiprilのみに変更し、ramiprilに忍容性のない患者にはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を投与した。コホート相の開始時の降圧目標は一律140/90mmHg未満だったが、2004年のガイドライン改訂に伴い、130/80mmHg未満に下げた。


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