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JAMA誌から
IABP下のPCIで心血管イベント減少せず
高リスク冠動脈疾患患者を対象とした英国でのRCT

2010/09/10
岡本 絵理=メディカルライター

 経皮的冠動脈インターベンションPCI)高リスクの患者に対し、あらかじめ大動脈バルーンパンピングIABP)を装着してPCIを行っても、IABPを装着せず行った場合と比較して、主要有害心・心血管イベント(MACCE)は減少しなかった。この結果はJAMA誌8月25日号に掲載された。

 これまでに複数の観察研究から、高リスクPCIではあらかじめIABPを装着することで、術中合併症や主要有害心血管イベントが減少したという結果が得られている。そこで英国の研究者らは、高リスクPCIに対する待機的IABPの有効性および安全性を評価するため、BCIS-1(Baloon Pump-Assisted Coronary Intervention Study)と呼ばれるランダム化比較試験(RCT)を行った。

 対象は、冠動脈もしくはバイパス血管に対するPCIを予定している高リスク患者。左室機能が低く(駆出率が30%以下)、広範囲の冠動脈疾患がある(BCIS-1危険度スコアが8/12以上)場合に高リスクとした(BCIS-1危険度スコアはDuke危険度スコアに修正を加えたもの)。IABPに対するクラス1または2の適応がある患者、またはIABPが禁忌である患者は除外した。

 適格となった301例を待機的IABP群(151例)か対照群(150例)のいずれかにランダムに割り付けた。待機的IABP群では冠動脈インターベンション前にIABPを挿入。IABPはPCI後4時間以上稼働させ、特に指示のない限りPCIから24時間以内に終了した。対照群には待機的IABPを実施しなかったが、PCI中に術者が必要と判断した場合は緊急IABPを実施した。

 全患者に対しアスピリンおよびクロピドグレルを前投与し、術中に未分画ヘパリンを静脈内投与して、活性凝固時間が200~250秒となるよう維持した。ステントおよび補助デバイスの種類は術者の判断で選択した。

 1次エンドポイントは退院時(最長28日後)の複合MACCE(死亡、急性心筋梗塞、脳血管イベント、28日後までの手技後の血行再建)とした。2次エンドポイントは6カ月時の総死亡、主要手技合併症、出血、アクセス部位合併症、一過性脳虚血発作、入院期間とした。

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