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J Am Coll Cardiol誌から
P2Y12阻害薬vsクロピドグレル、死亡率では前者優位
STEMIへのPCI施行例などに対する8つの臨床試験のメタ解析

2010/09/08
西村 多寿子=東京大学

 プラスグレルをはじめとするP2Y12阻害薬クロピドグレルの有効性・安全性を比較した臨床試験のメタ解析から、P2Y12阻害薬はクロピドグレルに比べて、経皮的冠動脈インターベンションPCI)後の総死亡や主要有害心イベント(MACE)を有意に減少させることが分かった。そのリスク・ベネフィットはST上昇型心筋梗塞STEMI)患者のPCI施行例で特に良好だった。この結果は8月25日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版で発表された。

 新規に開発されたP2Y12阻害薬は、STEMIや非ST上昇型急性冠症候群、安定冠動脈疾患の患者を対象にした臨床試験が進行中である。だが、PCI施行例におけるP2Y12阻害薬とクロピドグレルの死亡率を比較するには、それぞれの試験単独では検出力が十分でないため、フランス・Pitie-Salpetriere大学病院の研究者らは、P2Y12阻害薬4種とクロピドグレルを比較するメタ解析を実施した。

 1980年から2010年1月に発表された試験を、MEDLINEとCochrane Controlled Trials Registerのデータベースで検索した。検索語を「new P2Y12」「PCI」「clopidogrel」「prasugrel」「ticagrelor」「cangrelor」「elinogrel」とし、3人の研究者がそれぞれ独立してintention-to-treatのコホートを抽出した。

 メタ解析に含めた試験の条件は、(1)対象患者の70%超に対しPCIを実施している、(2)対照薬はクロピドグレルとする、ただしP2Y12阻害薬の静注との比較では、プラセボとクロピドグレルの投与とする、(3)死亡と出血のデータが揃っている──こととした。

 有効性のエンドポイントは総死亡とし、そのほかに心血管死、MACE、心筋梗塞、脳卒中、ステント血栓症についても評価した。安全性のエンドポイントは、TIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)分類による大出血と小出血とした。

 本研究では、(1)PCIの有無や臨床症状に関係なくすべての患者を対象にした解析、(2)PCI施行例に限定した解析、(3)STEMI患者のPCI施行例に限定した解析──の3種類の解析を行った。

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