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Circulation誌から
心筋梗塞後、経過とともに増える不整脈死
3カ月以降の突然死の75%は致死性不整脈が原因、VALIANTサブスタディ

 心筋梗塞MI)後で左室駆出率が低下している症例を対象として、その後の突然死の原因を剖検によって調査したところ、早期はMI再発や心破裂が80%と高率だったが、次第に不整脈死が増加し3カ月以降では75%を占めた。米国、ロシア、カナダ、イタリアなど各国の施設が共同して実施した大規模臨床試験のサブスタディの結果で、Circulation誌8月10日号に掲載された。

 MI後の致死性不整脈を予防するために植込み型除細動器ICD)装着が普及してきた。大規模RCTであるMADIT-IIのように有効性を認める報告がある一方で、最近実施されたDINAMITおよびIRISという試験では、MI発症後6~40日後にICDを装着しても短期予後は改善しなかった。

 ICDの有効性が認められなかったのは、MI発症後早期では不整脈死が少ないためではないかと考えた著者らが今回、VALIANT(VALsartan In Acute myocardial infarctioN Trial)という大規模臨床試験のサブスタディで、剖検によって突然死の正確な死亡原因を調査し、死亡時期との関連を検討した。

 VALIANTの被験者は、急性心筋梗塞後に左室駆出率低下(心エコーで35%未満、核医学イメージングで40%未満)があり、バルサルタンとカプトリルの少なくとも一方を内服している1万4703例。中央値24.7カ月間の追跡で2878例が死亡した。剖検を受けた398例のうち105例を突然死と診断して、研究対象とした。

 剖検の結果、突然死の105例中51例で、器質的な所見が見いだされた。内訳は、原疾患のMIによる発症後7日以内の死亡3例(2.9%)、MIの再発28例(26.6%)、心破裂13例(12.4%)、ポンプ不全4例(3.8%)、ほかの心血管疾患(脳卒中および肺塞栓)2例(1.9%)、心血管疾患以外1例(1%)だった。残りの54例(51.4%)では死因につながるような病理学的所見は見付からず、不整脈死と診断した。

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