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Circulation誌から
急性下壁梗塞でV1誘導のST上昇は予後不良
発症30日間の死亡率はSTが0.5mm上昇するごとに25%ずつ増加

 急性下壁心筋梗塞において、12誘導心電図のV1誘導でST上昇が認められるケースはハイリスクであることが、ニュージーランドとオーストラリアの多施設で実施された前向き研究から明らかになった。V1でST変化が見られない被験者と比べると、STが0.5mm上昇するごとに発症から30日間の死亡率がおよそ25%ずつ増加した。この結果はCirculation誌8月3日号に掲載された。

 V1誘導は右室に面していて、急性下壁梗塞でV1のST上昇を認める場合には、右室梗塞の合併が疑われる。そこで今回、ニュージーランド・オタゴ大学、オーストラリアのLiverpool病院など5施設が共同して実施した「HERO-2(Hirulog and Early Reperfusion or Occlusion-2)」と呼ばれる前向き試験のデータを利用して、急性下壁梗塞患者におけるV1のST上昇の有無と生命予後との関連が検討された。

 対象は、HERO-2試験に登録された急性下壁心筋梗塞患者7967例。V1については1874例で0.5mm以上のST上昇が見られ、0.5mm刻みで計測すると0.5mmが749例、1mmが619例、1.5mm以上が506例だった。STの変化なしは2213例、ST低下は3880例だった。

 V1からV3誘導は後側壁の梗塞の際にはミラーイメージとしてST低下が生じて、右室梗塞があってもV1のST上昇と相殺されることがあるため、V1でのST上昇はV3のST変化と関連して評価した。

 V1でST上昇が認められた被験者では、それ以外の人に比べて30日後の死亡率が有意に高かった(7.6%対5.2%、P<0.002)。STの高さ別に死亡率を見ると、0mm(ST上昇なし)で5.2%、0.5mmで6.4%、1mmで6.8%、1.5mm以上で10.3%と、STが増高するにつれて死亡率も上がっていた。V1でST変化が見られない被験者と比べると、発症から30日間の死亡率はSTが0.5mm上昇するごとにおよそ25%ずつ増加した。

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