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J Am Coll Cardiol誌から
SYNTAXスコアでのPCI後リスク予測、軽症例も可能
LEADERS試験のサブスタディ1年目の結果

2010/08/16
小塩 尚代=メディカルライター

 血管造影検査に基づいて算出したSYNTAXスコア(以下SXスコア)により、これまで知られていたよりも幅広い患者で、経皮的冠動脈インターベンションPCI)後の心イベントリスクを予測できることが、LEADERS試験のサブスタディから明らかになった。この結果はJ Am Coll Cardiol誌7月20日号に掲載された。

 SXスコアは冠動脈病変の数や部位、形状といった解剖学的特徴をスコア化したもので、スコアが高いほど複雑な冠動脈疾患であることを示す。多枝冠動脈病変または左冠動脈主幹部病変の場合、SXスコアがPCI後の心イベントリスクを予測することが知られている。

 しかし、それ以外の患者集団でもSXスコアが予測力を発揮するかどうかは不明だった。そこで、オランダ・Erasmus Medical Centerをはじめとする欧州多施設のグループが、幅広い患者を組み入れたLEADERS(Limus Eluted from A Durable versus ERodable Stent coating)試験のサブスタディで、SXスコアと転帰との関連を検討した。

 LEADERS試験は、新規薬剤溶出ステントBioMatrix Flexの、Cypher Selectに対する非劣性を検証する試験であり、現在も追跡継続中である。Cypher Selectの薬剤担体が永続性ポリマーであるのに対し、BioMatrix Flexは生体分解性ポリマーを使用している。BioMatrix Flexの溶出薬剤であるbiolimusは、Cypher Selectで使われているシロリムスの類似化合物で、より脂溶性にして組織移行性を高めた物質である。

 LEADERS試験の対象は、慢性の安定冠動脈疾患または急性冠症候群で、参照血管径2.25~3.5mmの血管に50%を超える狭窄病変を1つ以上有する1707例であり、この中には過去にPCIや冠動脈バイパス術(CABG)を実施された患者も含まれていた。今回のサブスタディではCABGの既往を有する患者を除外し、残りの1397例を対象とした。

 この1397例のSXスコアを追跡開始時に算出した。SXスコアは本来、急性心筋梗塞やPCI・CABGの既往例を対象としていない。そこで梗塞責任血管については発症時期にかかわらず慢性完全閉塞として扱い、ステント内再狭窄は新規病変と見なしてスコア化した。全患者のスコアの範囲は0~49、平均は13.5(標準偏差:8.7)、中央値は12(四分位範囲:7-19)だった。

 SXスコアの三分位数に基づいて、患者を3群、すなわちSX低値群(SXスコア8以下、464例)、SX中値群(8超かつ16以下、472例)、SX高値群(16超、461例)に分類し、1年時点の臨床転帰を比較した。

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