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Circulation誌から
ステント血栓症の患者特性は発症時期で異なる
発症時のTIMI血流分類や死亡率にも差、RESTARTレジストリー

2010/08/06
岡本 絵理=メディカルライター

 シロリムス溶出ステントSES)留置後に発生したステント血栓症(ST)の国内レジストリー「RESTART」を利用して、STの発症時期別に後ろ向き解析を行ったところ、ベースライン時の患者群特性やTIMI血流分類、累積死亡率は発症時期によって異なることが分かった。この結果はCirculation誌7月6日号に掲載された。

 STは、薬剤溶出ステントDES)を用いた経皮的冠動脈インターベンションPCI)の重篤な合併症であるが、発症頻度が低いため、危険因子などの特徴は依然として不明である。そこで京大の木村剛氏らは、STの発症時期別の特徴を明らかにするため本研究を実施した。

 RESTARTには国内543施設が参加。ARC(Academic Research Consortium)の定義に基づき、各施設の治験担当医師がSTを診断した。

 2004年5月~08年6月までのST611例を、発症時期に応じて早期(early、30日以内)ST322例、遅発性(late、31~365日)ST105例、超遅発性(very late、1年超)ST184例に分類し、ベースライン時の患者群特性データ、ST時の抗血小板療法、STの治療法および転帰を比較した。

 Kaplan-Meier法により指標ST後の累積ST再発率および累積死亡率を推定し、log rank検定を用いて発症時期による差を評価した。

 ベースライン時の患者群特性に基づき多変量ロジスティック解析を行ったところ、早期STに対し遅発性ST・超遅発性STで特徴的だった項目は、血液透析(オッズ比[OR]:3.42、95%信頼区間[95%CI]:1.79-6.52、P=0.0002)、血液透析未実施の末期腎疾患(OR:3.77、95%CI:1.51-9.43、P=0.005)、回旋枝に標的病変がないこと(回旋枝病変のOR:0.59、95%CI:0.39-0.88、P=0.01)、標的病変の慢性完全閉塞(OR:2.06、95%CI:1.19-3.57、P=0.01)、PCIの既往(OR:1.54、95%CI:1.1-2.16、P=0.01)、65歳未満(65歳以上のOR:0.71、95%CI:0.5-0.99、P=0.04)だった。 

 また、遅発性STでは超遅発性STと比べ、血液透析(OR:3.85、95%CI:1.62-9.19、P=0.002)、心不全の既往(OR:2.21、95%CI:1.13-4.31、P=0.02)、インスリン依存性糖尿病(OR:2.98、95%CI:1.2-7.4、P=0.02)、低BMI(BMIが25 kg/m2未満のOR:2.08、95%CI:1.1-3.96、P=0.03)が特徴的だった。


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