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Circulation誌から
経カテーテル肺動脈弁留置術、短期成績良好
留置した弁の機能不全回避率は1年時点で93.5%

2010/08/09
小塩 尚代=メディカルライター

 右室流出路の導管機能不全に対する経カテーテル肺動脈弁留置術(transcatheter pulmonary valve placement;TPV留置術)は、手技成功率が高く、弁の機能も1~2年間は比較的良好に保たれることが、米国の多施設試験の中間報告から明らかになった。この結果はCirculation誌8月3日号に掲載された。

 先天性心疾患などのために右室流出路の再建手術を受けた患者では、術後に肺動脈弁逆流や右室流出路の閉塞が起こる場合がある。こうした患者に対する標準的な治療法は、これまでは手術による肺動脈弁または導管(conduit)の置換だったが、最近TPV留置術が新たに選択肢に加わった。

 Medtronic社のMelody弁は、ウシ頸静脈の弁セグメントをバルーン拡張型ステントに装着したデバイスである。米国では2010年1月に、右室流出路の導管機能不全(逆流または閉塞)に対する経カテーテル留置弁として人道機器適用免除(humanitarian device exemption)で承認された。

 このMelody弁を用いた初めての前向き多施設試験が、治験医療機器に対する適用免除(investigational device exemption)下で2007年1月に開始された。同試験は5年追跡予定で現在も継続中であり、今回米国の5つの参加施設が2回目の中間報告を行った。

 患者の組み入れ基準は、心エコーにより、(1)肺動脈弁逆流(NYHA I度で重度の逆流と右室拡大および/または機能不全あり、あるいはNYHA II度以上で中等度以上の逆流あり、70例)、(2)右室流出路閉塞(NYHA I度で右室流出路の圧較差の平均が40mmHg以上、あるいはNYHA II度以上で35mmHg以上、36例)、(3)混合型(上記両方の基準を満たす、30例)――のいずれかが認められることだった。

 試験開始(2007年1月)からデータ締切日(2009年8月19日)までの間に、136例(男性87例、年齢中央値19歳)にカテーテル検査が実施された。このうち124例にTPV留置術が実施された。12例で実施されなかった主な理由は、導管への弁留置により冠動脈を圧迫するリスクがあったため(6例)だった。

 留置のアプローチは、経大腿静脈が120例、経右内頸静脈が3例、経左鎖骨下静脈が1例だった。カテーテルで測定した右室流出路の最大圧較差の中央値は、留置前は37mmHg、留置直後は12mmHgだった。
 

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